1988 Fiscal Year Annual Research Report
行動制御神経中枢の比較研究,新しいストラテジーと概念の確立
Project/Area Number |
61304006
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久田 光彦 北海道大学, 理学部, 教授 (70000768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立田 栄光 九州大学, 理学部, 教授 (10037179)
山口 恒夫 岡山大学, 理学部, 教授 (60000816)
渋谷 達明 筑波大学, 生物科学, 教授 (00015512)
岡島 昭 山口大学, 教養部, 教授 (50045944)
上田 一夫 共立女子大学, 教授 (60011441)
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Keywords | 動物行動 / 介在ニューロン / 中枢神経系 / 感覚情報処理 / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
本研究では行動制御中枢機構の比較解析に基づいて今後の研究ストラテージの確立を目指してきたが、今年度は過去2年間に得た研究結果の取りまとめと論文発表を中心に活動した。取り扱う実験動物種および研究手法により研究班は4つのサブグループに大別されるが、各グループからの結果を総合することにより、以下の結論を得た。 (1)感覚・運動系の神経回路網を神経生理/解剖学及び遺伝学的手法により精査した結果、非常に多様な神経接続が発見され、また新たな神経要素も数多く同定された。これらの発見は、従来の知見を基本的には支持しているが、互いに矛盾する場合も少なくない。個々の感覚・運動系について今後さらに研究を進める必要がある。 (2)多種感覚入力の総合、多種運動出力の協調的制御についても、多数の新たな神経要素が同定された。とくに局在性介在ニューロンがこれら高次中枢機能に関与する可能性が示されたが、これらを同定ニューロンとして取り扱うためには今後の更なる基礎的調査が必要である。 (3)神経修飾物質として、アミン、ペプタイド系物質が行動制御で重要な役割を果たすことが判明した。これらは伝達物質の働きを修飾する効果を示し、感覚・運動情報処理に直接関与するのではなく、間接的により高次の統合、協調に関与すると考えられる。 以上の結果、今後多面的なアプローチが必要であると共に、適切な実験系を同一種において多数確立することにより、これらの系の間の相互作用を段階的に解析していくのが、一つの有力な研究ストラテージであると結論される。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Nagayama,T.;Hisada,M.: J.Comp.Neurol.257. 347-358 (1987)
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[Publications] Oka,Y.;Takeuchi,H.;Satou,M.;Ueda,K.: J.Comp.Neurol.259. 400-423 (1987)
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[Publications] Kuwasawa,K.;Yazawa,T.;Kurokawa,M.: Experientia. 43. 986-990 (1987)
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[Publications] Furukawa,Y.;Kobayashi,M.: Experientia. 44. 738-740 (1988)
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[Publications] Hatanaka,T.;Shibuya,T.;Inouchi,J.: Comp.Biochem.Physiol.91A. 377-385 (1988)
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[Publications] Yongsiri,A.;Funase,K.;Takeuchi,H.;Shimamoto,K.;Ohfune,Y.: Europ.J.Pharmacol.155. 239-245 (1988)
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[Publications] Nagao,T.;Tanimura,T.: Anal.Biochem.171. 33-40 (1988)
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[Publications] Okada,Y.;Yamaguchi,T.: J.Comp.Physiol.162. 705-714 (1988)
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[Publications] Tanaka,Y.;Washio,H.: Comp.Biochem.Physiol.91A. 37-41 (1988)
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[Publications] Mizunami,M.;Tateda,H.: J.Gen.Physiol.91. 703-723 (1988)