1988 Fiscal Year Annual Research Report
湿潤地帯における補給型畑地灌漑の成熟化に関する研究
Project/Area Number |
61304027
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Research Institution | Tokyo University |
Principal Investigator |
小出 進 東京大学, 農学部, 教授 (60003745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 正彦 宇都宮大学, 農学部, 教授 (60074051)
江崎 要 明治大学, 農学部, 教授 (00146523)
鈴木 光剛 筑波大学, 農林工学系, 教授 (40018528)
岡本 雅美 岩手大学, 農学部, 教授 (20011893)
長谷部 次郎 弘前大学, 農学部, 教授 (90003574)
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Keywords | 畑地灌漑 / 補給灌漑 / 多目的利用 / ファームポンド / 水質浄化 / 水分消費量 |
Research Abstract |
東北地方の畑地灌漑は、実施面積の一位は福島県で、その60%は樹園地である。山形県・福島県では樹園地で防除に利用している。青森県の普通畑では、屏風山の砂質土の開拓地で、飛砂防止の散水を実施している。農家はメロン・ダイコン・キュウリ・トマト・イチゴについては、補給灌漑の効果を認めているが、果樹灌漑の補給灌漑の効果は認めていない。ただし、南東北ではモモ・ナシに活用している。果樹のスプリンクラー防除は進んでいるが、唯一の例外はリンゴである。しかし、通常の防除での用水源として活用されている。また、農作業機械・野菜の洗浄に利用されている。 先進畑地灌漑地域において、各地区とも水利用パターンは栽培作物とその変化に対応している。使用水量が増加すると、ファームポンド・ポンプ等の施設客量の制限があるため、使用水量の少ない時間帯へやや移行している。ハウスが増加すると使用水量は増加する。ハウス率が40〜50%になると、計画日消費水量3mmやファームポンド客量1ha当たり20m^3では厳しい。 ファームポンドの第三の機能として水質浄化がある。湖沼・貯水池に発生するアオコが灌漑水中に混入すると作物に障害がある。霞ヶ浦の調査によると、アオコがポンプにより加圧されパイプラインへ導水されると一部が沈降する。このアオコの生死が問題になるので、水圧のアオコへの影響を実験した。加圧5kg/cm^2Gまではアオコの生物活性の低下はなく、5〜10kg/cm^2Gでは生物活性は半減するが、完全には死滅しない。 茨城県南部の関東ローム台地の風場の水分を実測した。その結果、下向きの水分移動量が20%あるので、それを除いて水分消費量とする必要がある。そして、水分移動の上向きと下向きの境界面は降雨後は変化する。乾燥が進むと1m以上の深さからも上方への水分移動がある。
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