1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61306024
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 一輔 東大, 生産技術研究所, 教授 (10013096)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 恭雄 三重大学, 工学部, 教授 (70023182)
田沢 栄一 広島大学, 工学部, 教授 (60155067)
笠井 芳夫 日本大学, 生産工学部, 教授 (00058869)
増子 昇 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30010747)
飯山 敏道 東京大学, 理学部, 教授 (90107699)
|
Keywords | コンクリート構造物 / 早期劣化 / 耐久性診断 / アルカリ骨材反應 / 鉄筋の塩分腐食 |
Research Abstract |
コンクリート構造物の健全度を種々の角度から診断し、その結果に基いて今後の劣化傾向を予測する手法を開発するための研究を重点領域研究として推進するための必要な予備調査を実施するとともに、研究計画を立案した。 先づ、早期劣化を生じた各種のコンクリート構造物の現地調査を行ない、劣化状況を、構造物の種類・形状・寸法、構造物のおかれている環境、建設時期などとの関連において調査するとともに、劣化原因の推定を行った。さらに、一部の構造物ではコア採取を行ない,使用骨材の種類と反應性,セメントの品質,水和生成物と反應生成物,含有塩化物,炭酸塩化の進行,細孔構造,酸素の拡散性状,残存膨張,強度,ヤング率などを調べて、劣化が顕在化したコンクリート構造物の診断手法に関する検討を行った。次に、外観上は全く劣化の徴候が認められない段階において、コンクリート構造物が早期劣化をひきおこす可能性を、硬化コンクリート試料の分折・解折に基づいて判定する手法に関する予備的な検討を行った。コンクリート構造物に使用されたセメント中のアルカリ量を推定することは、アルカリ骨材反應をひきおこす可能性を判定する上で必要不可欠の条件であるばかりでなく、硫酸塩膨張によってコンクリートが劣化する可能性を判断する場合にも重要な手がかりを与える。そこで、本研究では、化学分折,機器分析及び偏光顕微鏡観察などを組合せることによって、上記課題を解決する見通しを得た。 本研究ではさらに、上記のようなコンクリート構造物の劣化診断に必要な一連の分析・解折装置ならびにこれらの組合せに関する検討を行った。 以上の検討を通じて、コンクリート構造物の耐久性診断と劣化傾向の予測手法の開発に関する研究を重点領域研究として展開するための準備を行った。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] J.T.Iiyama: Proc.7th Int.Conf.on Alkali-Aggregate Peaction. (1986)
-
[Publications] 笠井芳夫: セメント技術年報. (1976)
-
[Publications] 小林一輔: 第8回コンクリート工学年次講演会論文集. 857-860 (1986)
-
[Publications] 小林一輔: 生産研究. 39. (1987)