1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61308016
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野本 亀久雄 九大, 生体防医研, 教授 (50037355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 繁 京都大学, 理学部, 助教授 (30025291)
片桐 千明 北海道大学, 理学部, 教授 (90000827)
高久 史磨 東京大学, 医学部, 教授 (40048955)
金ケ崎 士朗 東京大学, 医科研, 教授 (10012767)
光山 正雄 新潟大学, 医学部, 教授 (10117260)
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Keywords | 異物識別機構 / 生体防御機構の系統発生 / 食細胞機能 / 免疫系の分化機序 / 生体防御機構の再構築 / 生体防御の方向付け |
Research Abstract |
本研究班は多くの多彩な研究機関に所属する研究者によって構成され、各班員の担当する研究は、生体防御に関わる生命現象の一部を対象とするものである。本総合研究の構築により、下等動物からヒトに至る動物に植物を加えた生命体の活動のうち、最も重要な生体防御機構の全体像が明らかになりつつある。 1.異物識別と生体恒常性の維持…種々の異物や外的刺激に応じた反応が植物、昆虫、脊椎動物において解析され、異物識別の機序の分子的基盤が明らかにされた。 2.生体防御機構の系統発生…哺乳類に加えて、植物、昆虫、貝類、甲殼類原索動物、両生類などの生物を対象として、特異性の低い基本的防御反応から、液性、細胞性の特異性のより高い防御因子までが研究され、防御因子の特殊性と普遍性を明らかにした。 3.食細胞系防御因子の生体防御における役割…あらゆる動物に共通して存在する防御因子のうち、最も重要な食細胞系の機能が、細胞生物学的、生化学的、免疫学的に解析された。また特異性に欠く食細胞系と、特異的免疫防御系の中間に位置付けされるNK細胞についても同様に研究が進展している。 4.免疫系の分化、細胞間相互作用と生体防御の発現…高等動物における重要な生体防御機構である免疫反応は、T細胞、B細胞を中心として数多くの液性因子や細胞間の刺激伝達により成立していく。T細胞による免疫の比重論的解析、エフェクター細胞分化の機序、種々のリンホカインの構造と機能が明らかにされ、免疫系の全体像が構築されると同時に、特異性の低い生体防御機構との関連も明確化されつつある。 5.生体防御の方向付け…以上の実績より、生体防御機構の再構築を行ないその方向付けの可能性へ発展させる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Tanaka,K.: J.Nat.Cancer.Inst.77. 733-738 (1986)
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[Publications] Mitsuyama,M.: Infect.Immun.52. 236-239 (1986)
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[Publications] Makino,R.: J.Biol.Chem.261. 711444-1144 (1986)
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[Publications] Okabe,T.: Cancer Research. 46. 1043-1046 (1986)
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[Publications] Nakamura,T.: Immunogenetics. 23. 181-186 (1986)
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[Publications] Kishihara,K.: Eur.J.Immunol.(1987)
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[Publications] Muramatsu,S.: "Macrophages and Accessory cells in Developmental Immunology" Oxford Univ.press, (1987)
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[Publications] 宮田敏行: "無脊椎動物の体液凝固に関する蛋白質の構造と分子進化" 共立出版, 13 (1986)