1986 Fiscal Year Annual Research Report
細胞工学的手法によるヒトを含む高等動物細胞の遺伝生理学的研究
Project/Area Number |
61308025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 善雄 阪大, 国立大学(その他), 教授 (30029756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 裕 関西医科大学, 第一生理学, 教授 (40077558)
市原 明 徳島大学, 医学部, 教授 (40035374)
谷口 維紹 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (50133616)
内田 驍 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (40029781)
松原 謙一 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (20037394)
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Keywords | 遺伝子操作 / 細胞操作 / ペプチド合成 / 高物子物質注入 |
Research Abstract |
作業内容としては、班会議で各班員の最近の研究が提示され、夫々の研究分野での世界の情況との関連が討議された。本研究班は細胞生物学に関連する幅広い分野から班員が選定されているが、この事が班会議の討議を非常に実のあるものにする事となった。次いで遺伝子、細胞を操作する新しい技術の整理と、その有効性の問題が討議されると共に、班員の夫々の研究遂行上困難な問題点とその解決策の検討が行われた。その結果として、本研究班で認識された問題の1つは、夫々の研究分野で独自の工夫がされており、その中には、他の分野で有効に利用可能なものがあるので、相互利用の場を積極的に作っていく事が研究の活性化に役立つという事であった。 今迄或る現象に関係する遺伝子を選別する事が主目的のように動いてきた細胞生物学は、今や遺伝子を利用して細胞の構造・機能を解析する研究に大きく転じてきている。この世界の情勢に対応するためには、細胞を如何に利用するか、操作するか、の工夫がいよいよ大切になってきた。新しい技術の開発こそが、研究の新たな展開を可能にするもので、幅広い分野相互での技術提供が今ほど必要になってきた事は無いといえる。 1つの新しい技術として提案されたものは、タンパク質の1次構造から、機能ドメインを推定し、ペプチドを人工合成して、生物現象の解析に利用してみようというものである。この方法は未だ、不確定の問題を多くはらんでいるが、結晶化してX線回折像を得ることの、とても不可能な多くの生体高分子物質の機能解析の1つの方法として、勇敢にトライしてみてよいものと思われる。遺伝子の塩基配列が多数決定し、一方ではペプチド合成も、アミノ酸20ケ程度のものは容易になりつつある現状をふまえて、新しい分野の開発も意図されるべきである。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 岡田善雄: Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.83. 1476 (1986)
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[Publications] 松原謙一: Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.83. 4993-4997 (1986)
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[Publications] 内田驍: Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.83. 4978-4982 (1986)
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[Publications] 内田驍: J.Cell Biol.104. 1-7 (1987)
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[Publications] 谷口維紹: Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.83. 9650-9654 (1986)
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[Publications] 谷口維紹: Cell. 48. 343-350 (1987)
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[Publications] 岡田善雄: "細胞融合と細胞工学" 中山書店, 66 (1986)
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[Publications] 内田驍: "Monmulonal antibody against diphtheria toxin."Monoclonal antibodies against bacteria"" Academic Press,