1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61410015
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安場 保吉 阪大, 経済学部, 教授 (80028034)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井堀 利広 大阪大学, 経済学部, 助教授 (40145652)
吉田 和男 大阪大学, 経済学部, 助教授 (40182753)
本間 正明 大阪大学, 経済学部, 教授 (90028051)
柴田 弘文 大阪大学, 経済学部, 教授 (80112001)
中谷 厳 大阪大学, 経済学部, 教授 (10028053)
|
Keywords | 税制改正 / 貯蓄・投資行動 / 税制のシミュレーション分折 / 財政赤字 / 合理的期待形成 / 中立命題 / 貿易摩擦 / 国際協調 / 経常収支 / 日米間の経済関係 |
Research Abstract |
本年度は日米両国において税制改正作業が行われたこともあって、研究の中心を税制の貯蓄、即ち家計の行動、と投資、即ち企業の行動に与える影響の分折を行ったところである。また、財政赤字の拡大からこれらに与える影響は大きなものが予想されるところから、これがどの程度税と同等であるかいわゆる中立命題の妥当性の分析を行ったところである。税制については、日本の税制が所得税減税・法人税減税及び売上税導入・マル優廃止というこれまでになく大きなものであり、これが現実の家計・企業に与える影響についてシミュレーション分折を行った。また、財政赤字が直接的にどこまで家計・企業に影響を与えるかについては合理的期待形成からの議論があり、これについての実証研究が求められていたところであるが、ミクロ,マクロのデーターから厳密な分折を行い、中立命題については「中間領域」にあることが明らかにされた。財政赤字・税制が日米間の経済関係に与える影響について、理論的な分析を進めるとともに、実証的な分折を進めているところである。この結果、日米間の税・財政の差が経常収支に大きな影響を与え、貿易摩擦の原因となっていることが明らかとなり、両国の国際協調による安定化が必要であることを主張してきたところである。今後の研究においては、さらに、税制,財政が家計・企業に与える影響を分折し、実証的な形でそれらのメカニズムを解明して行くこととしている。一方、日米両国で行われる税制改正の影響がどのように表われてくるかについて分折し、さらに政策的な立場からの問題の解明を図って行くこととしている。現在、マクロ・ミクロのデーターの整備を進めているところであり、今後さらにつっこんだ実証分折を展開することが可能になると考えている。
|
-
[Publications] 柴田弘文: Public Fiance and Public Debt. 229-242 (1986)
-
[Publications] 中谷厳: Ecnomic Views from Japan-Selections from Economic Eye. 184-195 (1986)
-
[Publications] 本間正明: フィナンシャルレビュー. 3. 54-69 (1986)
-
[Publications] 本間正明: 日本税務研究センター. 2-3. (1986)
-
[Publications] 吉田和男: 公共選択の研究. 7. 16-25 (1986)
-
[Publications] 吉田和男: 金融財政事情. 37-45. 30-33 (1986)
-
[Publications] 本間正明: "税制改革案のシミュレーション" 政策構想フォーラム, 61 (1986)
-
[Publications] 井堀利宏: "日本の財政赤字構造-中長期の実証規範分折" 東洋経済新報社, 226 (1986)