1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61420009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
潮田 資勝 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (90176652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 五郎 東北大学電気通信研究所, 助手 (30183958)
上原 洋一 東北大学電気通信研究所, 助手 (30184964)
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Keywords | ラマン散乱 / 単一層吸着分子 / 超高真空 / フォトンカウンティング / ニッケル / ニトロベンゼン / ピリジン / 基準振動解析 |
Research Abstract |
本年度の成果は以下の3点にまとめられる. (1)超高真空システムの完成及び高感度ラマン分光システムの完成 前年度構築した超高真空チャンバーに,本年度の補助金でLEED/AUGER分析器およびイオン銃をとりつけた.またリーク除去およびベーキングの結果,チャンバーの真空度は3×10^<-110>Torrとなり,加然・スパッター・LEED/AUGER分析器によるチェックを経たよく規定された金属および半導体界面の準備および保持が可能となった.また,前年度構築した高感度ラマン分光システムの改善および感度の評価をし, Ni表面上の単層吸着ニトロベンゼンのラマン散乱は観測可能であるという結論を得た. (2)Ni表面に吸着したニトロベンゼンのラマン散乱の観測 (1)のシステムを用いて,よく規定されたNi(111)表面上のニトロベンゼンのラマン散乱の観測を行った.その結果,6分子層のニトロベンゼンのラマン散乱が観測可能で,またその時のニトロベンゼンのラマン散乱断面積は液体状態のそれとほぼ同じ,即ち通常ラマン散乱が見えていることが解った.また,レーザー光照射によって吸着ニトロベンゼンの散乱断面積が増加するという現象を発見し,吸着状態の変化との関係を検討した. (3)吸着ピリジンの基準振動解析 吸着したピリジン分子のν_1モードはブルーシフトするが,ν_<12>モードはその位置を変えない.これを説明するためにピリジン分子の分子振動の基準振動解析を行った.その結果,上記の振舞いは,ピリジンへの電子の移動によるベンゼン環内の力定数の変化と,結合相手との間の振動の影響によって説明できることが解った.
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[Publications] C.E.Reed: Physical Review B. 36. 4990-5000 (1987)
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[Publications] J.Giergiel: Journal of Chemical Physics - in press.
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[Publications] G.Mizutani: in preparation.
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[Publications] K.Sakamoto: in preparation.
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[Publications] H.Sano: in preparation.