1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61420010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪野 公夫 東大, 理学部, 助手 (10125271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 真克 東京大学, 東京天文台, 助教授 (90107475)
森本 喜三夫 高エネルギー物理学研究所, 教授 (10011579)
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Keywords | 重力波 / かにパルサー / 重力波アンテナ / 中性子星 / 低温 / 超新星 / 重力崩壊 / トランスデューサー |
Research Abstract |
直径1.1m,高さ1.0m,質量1,200kgのアルミ製ねじれ型アンテナのデザインが決まり、それにもとづいて材料の発注および加工製作が行なわれた。大型重力波アンテナは、入手可能な材料(アルミ合金5056)の大きさが限られるため、3分割で作りそれぞれをアルミ溶接で接合する形となった。これに関しては、あらかじめ種々の予備実験を行ない検討した結果、熱はめ法やボルト固定法に比べてアルミ溶接法が最も容易で確実なこと、複合型であってもQ値や安定性に何ら問題がないことが明らかにされた。出来上ったアンテナは常温常圧で2×【10^5】以上のQ値をもつことが確認されている。 またアンテナを4.2Kに冷却し、それを真空中に収納するための、外径1.7m,高さ3mの大型クライオスタットが建設された。液体窒素を使用しないガスシールド方法であるが、液体ヘリウムの消費量は毎時2・5l以内に押えられる見込みである。 一方で小型の重力波アンテナ(100kg)とクライオスタットをもとにしたモデル実験も平行して行なわれた。この装置を用い1408時間の重力波観測を行ない、かにパルサーからの重力波の上限としてh<1.9×【10^(-21)】を得た。特にアンテナの共振周波数をかにパルサーに完全に同調させるための電子同調機構については、モデルアンテナを用いて研究を進めてきたが、これによって実用化のめどがついた。 また、岡山天体物理観測所における光学望遠鏡を用いた、かにパルサーの光パルスのタイミング測定も引続き行なわれており、これによって重力波の目標周波数が精度良く決定できるようになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Owa: Proc.of the 4th Marcel Grossman Meeting on General Relativity. 571-578 (1986)
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[Publications] K.Tsubono: Jpn.J.Appl.Phys.25. 622-626 (1986)
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[Publications] M.Ohashi: Jpn.J.Appl.Phys.25. L687-L689 (1986)
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[Publications] K.Tsubono: Cryogenics. 27. (1987)
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[Publications] S.Owa: Physical Review D.
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[Publications] 坪野公夫: "時空のさざ波-重力波を求めて-" 丸善, 141 (1986)