1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61420012
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 正之 東北大学, 理学部, 教授 (90004340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花輪 公雄 東北大学, 理学部, 教授 (40142921)
鳥羽 良明 東北大学, 理学部, 教授 (50025277)
岡野 章一 東北大学, 理学部, 助手 (10004483)
中澤 高清 東北大学, 理学部, 助教授 (30108451)
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Keywords | 二酸化炭素 / 二酸化炭素循環 / 非分散赤外分析法 / ガスク / マトグラフ法 |
Research Abstract |
大気・海洋間の二酸化炭素の交換量を正しく把握することは、人間活動による将来の大気中の二酸化炭素濃度予測の基礎として、また地球上における炭酸循環の解明の基礎として、不可欠である。本研究においては、大気および海洋表層の二酸化炭素分圧を系統的に実測し、同時に大気海洋間の二酸化炭素のバルクのトランスファーベロシティを評価することによって、この問題の解決に資することを目的としている。 本年度は、昨年度にひきつづき非分散赤外分析計を実際に南極観測船「しらせ」に塔載し、大気および海洋表層水中の二酸化炭素分圧を測定した。その結果、西太平洋においては、北半球中緯度では大気の分圧が高く洋海はシンク、赤道域では海洋の分圧が高く海洋はソース、南半球緯度で海洋分圧低く海洋はシンク、南極周辺では海洋分圧高く海洋ソースという重要な結果が得られた。注目すべき点は、大気・海洋間の二酸化炭素分圧差が同じ海域でも年により、季節によって大きく変動するということが見出されたことである。これに対応するため、イクイリブレーターにより平衡化された空気試料の形で海洋の二酸化炭素情報をサンプリングする技術の開発を行なった。この方法によると一般の民間船舶により容易にサンプラーを塔載できるので、より広域を対象とする研究の可能性がでてくる。非分散赤外分析法にかわる手段として検討していたガスクロマトグラフ法を成功し、微量の分析および標準ガスにおけるキャリアガス効果やガス量の問題が一歩前進した。これらと並んで炭素循環のモデリングを進め、この面からのデータの精度および代表性についての要請を明らかとした。当面子午面の2次元モデルに適合するデータセット、すなわち信頼のおけるデータの帯状平均値、を取得する必要がある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Kitano;M.Tanaka: Oceanous. 30. 78-82 (1987)
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[Publications] M.Tanaka;T.Nakazawa;S.Aoki: Tellus. 39B. 3-12 (1987)
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[Publications] M.Tanaka;et al: Tellus. 39B. 72-79 (1987)
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[Publications] M.Tanaka;T.Nakazawa;S.Aoki: Tellus. 39B. 29-41 (1987)
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[Publications] M.Tanaka;et al: J.Meteor.Sec.Japan.65. 279-285 (1987)
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[Publications] 田中正之: 化学の工業. 40. 903-907 (1987)