1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61420028
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
広瀬 全孝 広島大, 工学部, 教授 (10034406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末宗 幾夫 広島大学, 工学部, 助教授 (00112178)
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Keywords | ラジカルビーム / エピタキシャル成長 / 表面反応 |
Research Abstract |
本研究の研究計画は、励起状態にある反応性分子種(ラジカル)を結晶成長の前駆体として用いることにより、エピタキシャル成長温度の大幅な低下を計ることであった。Si【H_4】+Arガスの放電分解によって発生したラジカル種を超高真空に保たれた成長室において、結晶Si基板の清浄表面上にビームとして噴射することによって、基板温度550゜CでSiのエピタキシャル成長することを、反射高速電子線回折(RHEED)により確認した。また、室温の基板上においても微結晶Siが堆積することがわかった。基板温度600゜Cで単結晶成長したSi薄膜は、基板と同程度の結晶性を有していることがラマン散乱分光から明らかになった。さらに、結晶性の改善およびエピタキシャル成長温度の低下を目指し、成長表面の清浄化技術を検討した。具体的には、エピタキシャル成長を妨害する主な原因である雰囲気中の【H_2】Oによる成長面の酸素汚染を除去する目的で、Si薄膜成長時に、【H_2】+Arガスの放電分解によって発生したHラジカルを膜成長表面に照射した。その結果Hラジカル照射は、結晶性の改善およびエピタキシャル成長温度の低下に有効であることが見出された。基板へ入射する【H_2】Oの量に相当する量のHラジカルの照射が最も有効でありSiのエピタキシャル成長温度は、520゜Cまで低温化可能なことがわかった。過剰のHラジカルを照射した場合には、成長表面がHで覆われる結果、長距離秩序を保ったSi-Si結合の形成が困難となるために膜の結晶性が低下することがわかった。また、吸着種の表面移動度を促進する目的で、Si薄膜成長時に、成長表面に3kv、約1μA/【cm^2】の電子線照射によって過剰エネルギーを加えることによってエピタキシャル成長温度が500゜Cまで低下することがわかった。なお、電子サイクロトロン共鳴マイクロ波プラズマ発生装置は、Si【H_2】ラジカル、Si【H_3】ラジカルまたはHラジカルを高効率および選択的に発生させる為に購入した。
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[Publications] 広瀬全孝: 核融合研究. 55. 449-460 (1986)
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[Publications] 広瀬全孝: 高温学会誌. 13. (1987)
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[Publications] Masataka HIROSE Editors J.Mort F.Jansen: "Plasma Deposited Thin Films Chapter 2" CRS PRESS, 21-43 (1986)