1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61420039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新宮 秀夫 京大, 工学部, 教授 (20026024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 慶一 京都大学, 工学部, 助手 (30184550)
小林 紘二郎 京都大学, 工学部, 助教授 (70026277)
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Keywords | 非平衡 / アモルファス / 準結晶 / プラズマ / スパッタリング / 薄膜 / Al合金 / 準安定相 |
Research Abstract |
この研究費補助金により購入したRFマグネトロン型スパタリング装置を用いてAl-Cr合金の種々の組成の試料を、種々の基板上に最高10数ミクロンの厚さの膜として堆積させることが出来た。X線回析により膜の構造を解析したところ、Cr濃度が約10at%に達するまではfecのAlの中にCrが固溶した状態であることが判った。平衡状態でのCrのAl中への固溶度は0.1%程度であり、Crがこのようなプラズマ状態からの堆積によって大きく非平衡的に固溶したことが明らかとなった。次にCr量が約10at%を超えたときの膜の構造は基板に用いる材料の状態により異なることが明らかとなった。すなわち基板にガラスや厚い雲母、Nacl結晶などを用いた場合には得られた膜はいずれもアモルファス状態すなわち非晶質であった。しかし、基板として有機膜や薄い雲母片(10ミクロン程度)を用いた場合には、準安定相として準結晶相が形成することが見出された。堆積膜がアモルファスとなるか準結晶となるかの差がどのような要因によって分かれるのか、結論を得るには至っていないが、現時点での実験結果を総合すると、堆積膜が厚くなるに従って基板が変形して堆積膜に応力を蓄積しない場合に準結晶が得られ、基板が強固で堆積膜に応力が蓄積する場合にはアモルファスとなるようである。 また準結晶を形成する他の合金金たとえばAl-Lc-Cuについてもスパッター法により準結晶膜を作成することに成功している。これらの結果を用いてアモルファス構造と準結晶との形成機構が明らかにされれる可能性が考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Mori: Materials Science and Engineering. 78. 157-162 (1986)
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[Publications] K.Ishihara: Journal of the Physical Society of Japan. 55. 1795-1798 (1986)
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[Publications] S.R.Nishitani: Journal of Crystal Growth. 76. 209-214 (1986)