1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61420039
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
新宮 秀夫 京都大学, 工学部, 教授 (20026024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 慶一 京都大学, 工学部, 助手 (30184550)
小林 紘二郎 京都大学, 工学部, 助教授 (70026277)
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Keywords | 非平衡 / 準安定平衡 / メカニカルアロイング / 固相反応 / アモルファス / 過飽和固溶体 |
Research Abstract |
非平衡合金相の形成に関する実験的研究をこの研究計画の発足(昭和61年度)より行なって来た、本年度はそ最後年度に当る。したがって研究成果の取りまとめと、得られた成果に基ずく非平衡合金相の形成に関する一特性のある科学的、工学的理論的説明を行うことが本年度の目標であった。本研究において用いた非平衡合金相の形成手段は、流体の急冷、スパッタリング、メカニカルアロイングの3つの手段であった。すなわち液相、気相、固相の利用による非平衡合金相形成の試みを行ったことになる。その結果を総合して見ると、いずれの手段においても非平衡相の形成の難易、形成される非平衡相の種類などが、熱力学的観点による合金の種類により説明することが可能なことが明らかとなった。たとえばアモルファス合金の形成を例にとると、液体急冷すなわち液体を10^5度/秒という超急速凝固する手段と、2種の元素をアルゴンガスの低圧下での衝突による合金元素のプラズマ化と基板上への堆積、2種の金属元素粉体をボ-ルミル中で長時間(100時間を超える時間)機械的に混練する手段という3つの著しく異なったプロセスにより、ある種の元素の組合せ(2元合金等)においてはアモルファス化が起る。アモルファス化の起る合金属はこのいずれの手段においても同じ種類の合金等であり、その特色として挙げ得る共通点は、2種の合金元素間の化学的親和力の大きい合金属である。化学的親和力は、2種の合金元素の混合のエンタルピ-によって示すことができる。すなわち混合エンタルピ-が負で比較的大きい(数10kg/mol)である場合非平衡相としてアモルファス相が形成され易い。端的に見ると、これらの〓では、安定、準安定な液相が低い自由エネルギ-状態を持って存在し得る。平衡状態図上ではこの事実は安定あるいは準安定の「深い共晶」として現れることが明らかにされた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] P.H.Shingu: "Amorphous and Nano-meter Order Grained Al-Fe Alloys Formed by Mechanical Alloying" Mechanical Alloying Techniques(DGM). 319-326 (1989)
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[Publications] P.H.Shingu: "Nano-Meter Order Crystalline Strucrures of Al-Fe Alloys Produced by Mechanical Alloying" Sppl.Trans.JIM. 29. 3-10 (1988)
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[Publications] P.H.Shingu: "Metastable Alloy Pgase Formation by Prepared Rolling in some Common Metallic Binary Alloy Systems" TMS Symposium. 21-34 (1990)
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[Publications] N.Inoue: "Non-Equilibrium Phases of Al-Ti Alloys Formed by Mechanical Alloying and RF-Sputtering" Proc.1st Japan International SAMPE Synposium. 13-18 (1988)