1986 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロプローブ・オージェ電子回折法による結晶表面構造の解明
Project/Area Number |
61420046
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河野 省三 東北大, 理学部, 助教授 (60133930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 伝次郎 東北大学, 理学部, 教授 (50004239)
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Keywords | 表面・界面 / 走査電子顕微鏡 / オージェ電子分光 |
Research Abstract |
かねてよりほぼ同一研究題目で東レ科学振興会に申請中であった助成金の決定通知を昭和61年3月に受けていたので、実質的設計打ち合せを日立製作所那珂工場、電子装置設計部技術者と重ねていた。5月に、文部省科研費内定通知を得て、研究費の面で余裕が生じ、当初の研究計画よりも一段階上の計画を立てることができた。すなわち、当初は普及型の走査電子顕微鏡、日立S-510型を購入し改造する予定であったが、それを電界放射型電子銃をそなえてた日立S-800型走査電子顕微鏡を購入、改造することである。 S-800型は電界放射型であり、分解能が高く、しかも電子銃部分がすでに超高真空化されているので本研究には好都合であった。ただし、試料槽は通常真空であるので、これを超高真空化することに伴う電子顕微鏡本体の改造をあらかじめ行っておく必要があった。このことに関する打ち合せを日立製作所技術者と何度か行ない、S-800特型を購入することとなった。費用的には、特型の走査電子顕微鏡本体を東レ科学振興会よりの助成金で購入し、特型の走査電子顕微鏡デイスプレイを文部省科研費で購入できることとなった。 昭和61年12月8日、日立S-800特型走査電子顕微鏡が搬入され、その後、約10日間をかけて検収と操作の研修を終えた。検収時における分解能試験で、磁気テープ上に真空蒸着された金微粒子を観察し、約20【A!°】の分解能を得た。 一方、オージェ電子回折実験は、先の検出器の修理を終え、オージェ電子分光器の性能テストをほぼ終了し、実際に半導体初期界面構造の解析を開始した。しかし、既設の試料マニピュレーターは位置の設定精度と再現性が悪く、データの質が非常に良くないことが判明した。したがって62年度に製作予定のマニピュレーターの完成を急ぐこととなった。
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[Publications] 木下豊彦,河野省三,佐川敬: Physical Review. B34. 3011-3014 (1986)
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[Publications] 東山和幸,河野省三,佐川敬: Surfce Science. 175. L794-L800 (1986)
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[Publications] 河野省三,東山和幸,木下豊彦 他: Physical Review Letters. (1987)
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[Publications] 木下豊彦,河野省三,永吉秀夫: J.Physical Society of Japan.
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[Publications] 東山和幸,河野省三,木下豊彦 他: Surface Science.
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[Publications] 河野省三 他: "表面分析辞典" 共立出版(株), 372 (1986)