1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61420050
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
須貝 新太郎 北海道大学, 理学部, 教授 (80000727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑島 邦博 北海道大学, 理学部, 助手 (70091444)
新田 勝利 北海道大学, 理学部, 講師 (80001858)
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Keywords | 牛α-ラクトアルブミン / トリプトファン / D→H交換 / 熱変性(中間)状態 / 馬リゾチーム / 【Ca^(2+)】結合 |
Research Abstract |
α-ラクトアルブミンの中間構造状態のゆらぎをD【→!←】H交換で調べる第一段階として、牛のα-のラクトアルブミンの天然状態での重水素化トリプトファン(Trp)のD→H交換を詳細に調べた。その結果4ケのTrpの中2ケは表面にかなり露出していて交換も早くその活性化エネルギーは小さく局所構造変化によって交換が起き、残りの2ケは交換は遅くその活性化エネルギーも大きく且つ交換も[【Ca^(2+)】]に依存し、アボ状態ではE【X_1】、ホロ状態ではE【X_2】-機構が仮定できる。一方中間構造状態の一つである熱変性(T)状態でのD→H交換も単相的ではなく、早い交換グループは表面に充分露出しているが、他のものの交換挙動は、先に我々が得た熱変性や変性剤濃度ジャンプからの折れたたみのパラメーターを使って説明できた。さらに天然状態での遅い交換のTrpグループは、過渡的に生成されるグロバルな変性中間体を通して交換が起き、それで【Ca^(2+)】の有無でE【X_1】→E【X_2】機構のスイッチが見られるのであろう。本年度得られた構造中間体に対する興味あるD→H交換機構は、さらに他の条件で得られる中間体、他のα-ラクトアルブミンおよび二次構造測定法を使って追跡されてゆくべきである。 α-ラクトアルブミンが【Ca^(2+)】結合タンパク質である事が我々の研究室で見出されて以来、何故相同タンパク質であるリゾチームに【Ca^(2+)】が結合していないかには興味がもたれていた。最近イギリスで馬のリゾチームは【Ca^(2+)】を結合する可能性がある事が指摘された。我々は馬のリゾチームを抽出精製し、その【Ca^(2+)】分析および【Ca^(2+)】による構造のまきもどりを追跡し、ニワトリやヒトのリゾチームと本質的に違う性質を見出した。馬のリゾチームには【Ca^(2+)】が結合している。今後このタンパク質の構造中間体のゆらぎにも研究を進めてゆく予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kunihiro kuwajima: Int.J.Peptide & Protein Research. 27. 18-27 (1986)
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[Publications] Masahiro Mitani: J.Biological Chemistry. 26. 8824-8829 (1986)
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[Publications] Masamichi Ikeguchi: J.Biochemistry(Tokyo). 99. 1191-1201 (1986)
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[Publications] Masaki Hamano: J.Biochemistry(Tokyo). 100. 1617-1622 (1986)
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[Publications] Masamichi Ikeguchi: Biochemistry. 25. 6965-6972 (1986)
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[Publications] Yoshiaki Harushima: Biopolymers.