1988 Fiscal Year Annual Research Report
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61420050
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
須貝 新太郎 北海道大学, 理学部, 教授 (80000727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑島 邦博 北海道大学, 理学部, 助手 (70091444)
新田 勝利 北海道大学, 理学部, 講師 (80001858)
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Keywords | αーラクトアルブミン / リゾチーム / 中間変性状態 / 構造のゆらぎ / ジスルフィド結合 |
Research Abstract |
(1)タンパク質の折れたたみ中間体の赤外吸収により特性化:αーラクトアルブミン(α-LA)やリゾチーム(Lyz)の折れたたみの初期に天然の二次構造のみ持った中間体が形成されるが、その立体構造を特性化するためα-LAの主鎖のNHがNDに交換する反応を定量的に追跡した。pH7での天然状ではかなり交換自由なものから顕著に交換反応が保護されているものを含めた4つの反応相が見出された。pH2では5〜50倍交換の保護された速いおよび遅い二つの相のみで反応が記述出来、遅い相に関する一NHの数はWarmeの天然状態での二次構造形成の一NHのものと略一致した。一方、pH7或いはpH2で速い交換を起した後、pH2或は7にジャンプして交換反応を追跡した結果も天然状態と折れたたま中間体の二次構造の位置は同一と考えられる結果になった。 (2)折れたたみ中間体に対するS-S結合の影響:α-LAのS-S結合の還元が天然構造を不安定化する事が示されていた、今回はCys6-Cys120のみを還元後カルボキシメチル化した3S-Sα-LAの折れたたみの平衡および動的測定を行った。Cys6-Cys120のみの還元でも天然構造や折れたたみ初期中間示の形成に影響する事、即ちそれを不安定化する事が明らかにされた。これから折れたたみ中間体の安定化にS-Sが必要である事が理解された。 (3)Ca^<2+>結合Lyzの変性中間体:我々が見出したカルシウム結合Lyzである馬および鳩のLyzの熱変性を定量的に調べたが、両タンパク質とも熱変性状態はα-LAのT状態(変性中間体)に似て完全な変性状態ではない。興味ある事に、馬のLyzではアポ状でCDから熱変性(N→T)の中間体が存在し、それは基質結合能がない即ち活性のない状態である事が示された。活性の測定でも馬のアポ状は30〜40℃(中性pH)で不活性化する事が得られた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yoshihiaro,Harushima;Kunihiro,Kuwajima;Shintaro,Sugai: Biopolymers. 27. 629-644 (1988)
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[Publications] Katsutoshi,Nitta;Hideaki,Tsuge;Shintaro,Sugai;Keiichi,Shimazaki: Biological Chemistry,Hoppe Seyler. 369. 671-675 (1988)
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[Publications] Kunihiro,Kuwajima;Atsushi,Sakuraoka;Syoichi.Fueki;Michio,Yoneyama;Shintaro,Sugai: Biochemistry. 27. 7419-7428 (1988)
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[Publications] Masamichi.Ikeguchi;Shintaro,Sugai: International Journal Peptide and Protein Research. 30. (1989)
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[Publications] Kunihiro,Kuwajima;Masahiro,Mitani;Shintaro,Sugai: Journal Molecular Biology. (1989)
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[Publications] Katsutoshi,Nitta;Shintaro,Sugai: European Journal Biochemistry. (1989)
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[Publications] 須貝新太郎: "生命現象と生化学 八木康一,石井信一 編" 北大図書刊行会, 24-44 (1988)