1988 Fiscal Year Annual Research Report
イソプレイド生合成における基本過程ー鎖延長と環化ーの化学および生化学的研究
Project/Area Number |
61430010
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菅 隆幸 広島大学, 理学部, 教授 (00033811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻原 和仁 広島大学, 理学部, 助手 (00194481)
宗貞 清貴 広島大学, 理学部, 助手 (30166235)
青木 正 鈴峯女子短期大学, 教授 (40112164)
太田 伸二 広島大学, 学校教育学部, 講師 (60185270)
平田 敏文 広島大学, 理学部, 助教授 (80033926)
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Keywords | プレニル鎖延長過程 / 環化過程 / 酵素反応の立体化学 / 高等植物 / 疎水性クロマイドグラフィー / 酵素系 / 異性化酵素阻害剤 / 二価金属イオン |
Research Abstract |
高等植物におけるイソプレノイド類の生合成研究の一環として、プレニル鎖が生成する過程と環化する過程に関与している酵素系を分画・精製し、さらにこの酵素系を用いてプレニル化のプロキラルな過程の解明とプレニル鎖が環化する際の初期過程の解明を計った。 1.従来、プレニルニリン酸合成酵素は分離が困難とされていた。今回、疎水性クロマトグラフィーによってポリプレニルニリン酸合成酵素をファルネシルニリン酸合成酵素から分離し、精製する方法を確立した。 2.ウスイエンドウ酵素系における(E)ープレニル鎖延長過程の縮合面の立体化学を調べた。その結果、IPP異性化酵素阻害剤(IAA)の存在下で反応させた場合には、Cornforthの「イソプレノイド生合成則」とは逆にアリル残基がイソペンテニルニリン酸(IPP)の炭素ー炭素二重結合のre-re面から縮合することを見出した。機構の考察も行なった。 3.プレニル鎖の延長過程における立体化学を究明するために有用な標識化合物である(S)-および(R)-〔2-^2H〕IPPの簡便な化学合成法を開発した。原料にジメチルアリルアリコールを用い、それぞれ収率18%(重水素化率99%)および15%(重水素化率99%)で合成しえた。 4.リモネンの生合成を支配している酵素系を分画・精製した。ハッカからの酵素系ではゲラニルニリン酸(GPP)は(4S)-リモネンへ変換され 、一方、ミカンから酵素系ではGPPは(4R)-ルモネンへ変換されることを見出した。酵素の活性部位における立体特異的環化機構を考察した。 5.環状モノテルペノイド生合成における二価金属イオンの役割を解明するために、鎖状アリルニリン酸類にマグネシウム(II)イオンが配位する過程を^<31>P NMRを用いて調べた。マグネシウム(II)イオンはニリン酸基部分と1:1でキレート配位すること、このようなキレート形成によってニリン酸基部分のC-O結合が弱められることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Suga: Chem.Lett.1988. 115-118 (1988)
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[Publications] 菅隆幸: 有機合成化学協会誌. 46. 12-21 (1988)
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[Publications] 菅隆幸: 日本化学会誌. 1988. 629-634 (1988)
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[Publications] T.Suga: J.Org.Chem.54. (1989)
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[Publications] T.Yoshioka: J.Org.Chem.
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[Publications] T.Yamamitsu: J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1.