1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61430015
|
Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
床次 正安 東京大学, 理学部, 教授 (80029850)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 和弘 東京大学, 理学部, 助手 (10207649)
芳賀 信彦 東京大学, 理学部, 助手 (60011748)
小澤 徹 東京大学, 理学部, 講師 (00011651)
堀内 弘之 東京大学, 理学部, 助教授 (80029892)
|
Keywords | 放射性廃棄物 / 放射性鉱物 / 稀土類元素 / カ-ボナタイト |
Research Abstract |
本年度当初の研究実施計画にそって、次の様な成果を得た。 (1)ブラジル、ミナス・ジェライス州周辺の多くの放射性、稀土類元素を含むカ-ボナタイト、アルカリ複合岩地帯より採取された多様な天然鉱物について鉱物学的な研究を行なった。 まず、ミナス・ジェライス、Arxaコンプレックスのカ-ボナタイト、アルカリ岩中の鉱物について、光学顕微鏡、走査電子顕微鏡による、鉱物組織の観察を行ない、セラドナイトと炭酸塩鉱物との興味ある共生関係について報告した。また、Jacupiranga、Araxa、Catalaoコンプレックス中の炭酸塩鉱物と共生する磁鉄鉱の鉱物学的特徴を検討し、カ-ボナタイトの活動時期、異なる地域による岩体の類似点、相違点、らを明らかにし、磁鉄鉱の起源を探る研究を行なった。さらに、ミナス・ジェイラス州Tapiraコンプレックス中の八面体の形状を呈して産するアナタ-ゼがペロブスカイトの仮像であることを明らかにした。同じくTapiraコンプレックス中のグリメライトに含まれる、CaーZrーTiーO鉱物を、EPMA及びSEMを使って分析、観察を行ない、calzirtiteら2相からなる事を明らかにし、合せて累帯構造組織の報告を行なった。 (2)光量子放射化分析によりカ-ボナタイト風化土壌中の稀土類元素ニオブ、ジルコニウムの定量分析を行ないこれら元素の濃集、分布の予備的な研究を行なった。 (3)微小領域X線回折装置を使い磁鉄鉱中のイルメナイトの微小な離溶組織をミクロン単位で観察した。 (4)放射性廃棄物の合成鉱物化による封じ込めについては、スウェ-デンで毎年開催されるストリ-パ計画の国際会議に積極的に参加し、花崗岩体中の水利地質学的な特性の予測技術の開発と予測結果の実証、及び、岩盤中の核種移動評価の確立に関して、活発な議論を行なっている。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 堀内弘之: "Crystal structure of Mantle Minerals and Their Implications for Phase Transition At High Pressure" in“Dynamical Process of Material Transport and Transformation in the Earth′s Interior"(予定). 191-217 (1990)
-
[Publications] 田中雅彦: "微小領域X線回折による鉱物組織の研究" 日本結晶学会講演要旨集. PA18-PA18 (1989)
-
[Publications] 豊田和弘: "機器光量子放射化分析法による標準岩石試料及びカ-ボナタイト風化土壌試料の分析" 核理研研究報告. 22. 117-122 (1989)
-
[Publications] 小澤徹: "ブラジル南部、カ-ボナタイト地域産の磁鉄鉱の研究" 日本鉱物学会講演要旨集. PA18-PA18 (1989)
-
[Publications] 芳賀信彦: "Arax′a(ブラジル)におけるカ-ボナタイトの構成鉱物" 日本鉱物学会講演要旨集. PB17-PB17 (1989)
-
[Publications] 豊田和弘: "Rare Earth Elements Zoning in Fish Teeth from Deepーsea Sediments" Nature. (1990)