1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61430017
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石橋 信彦 九州大学, 工学部, 教授 (00037673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川畑 祐司 九州大学, 工学部, 助手 (70152999)
今坂 藤太郎 九州大学, 工学部, 助教授 (30127980)
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Keywords | 超音速分子ジェット分光法 / レーザー励起蛍光分析法 / シンクロナススキャンルミネッセンス分光法 / レーザー脱離分析法 / 高分子材料 / スチレン / メチルナフタレン / 熱媒体オイル |
Research Abstract |
1.高分子材料の分析:超音速分子ジェット(SSJ)法は, 一般に気体試料の分析に適用されているが, レーザー脱離法を用いれば, 固体試料の分析へも応用できる. 本研究では, ポリスチレンなど高分子材料の分析に初めて応用した. まず高分子材料を337nmで発振するエキシマーレーザー励起色素レーザーで脱離し, 生成した分子種をSSJとしたのち, ヤグレーザー励起色素レーザーを照射して蛍光測定した. ポリスチレン並びにABS樹脂からは, その構成成分であるスチレンモノマー分子が検出されたが, スチレンを含まないポリカーボネートからは信号が観測されなかった. 本法では, レーザー1ショット毎に消費される試料量は約1ngにすぎず, 極めて高感度である. またSSJ法の利点を生かした高選択的分析を行なうことも可能であった. 2.シンクロナススキャン(SSL)法の適用:ナフタレン誘導体についてSSJ/SSL法を適用すると, いわゆるOーO遷移の他, 8^1_0の遷移が強く観測される. そこで分子の構造とこれらのピーク強度比の関係について研究した. その結果, β位にメチル基があるナフタレン誘導体は, 分子の対称性が低く, 分子内無放射過程が速やかにおこるため, OーO遷移が強くなることが判明した. この規則はジメチルナフタレンについても適用できることがわかった. 最近PCBの代りに熱媒体として用いられているオイルの分析に本法を適用したところ, 1ー及び2ーメチルナフタレンが主成分として存在することがわかった. 3.相補的シンクロナススキャン法の研究:励起波長と同じ蛍光波長をマスクして除き, その他の波長の蛍光のみを検出する逆SSL法を考案した. SSLと逆SSL法を組合せることにより, 逆SSL法の(1)検出感度が高い(2)ピーク数が多く同定の確度が高いなどの特長の他, (3)分子の対称性(2)光学遷移に伴なう分子のねじれなどに関する知見も得られることがわかった.
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[Publications] T. Imasaka, K. Tanaka, N. Ishibashi: Analytical Sciences. 4. 31-35 (1988)
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[Publications] T. Imasaka, N. Ishibashi: Spectrochimica Acta, Part B.
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[Publications] T. Imasaka, K. Sakaki, N. Ishibashi: Spectrochimica Acta, Part B.
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[Publications] T. Imasaka, A. Tsukamoto, N. Ishibashi: Analytical Chemistry.
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[Publications] S. Kawasaki, T. Imasaka, N. Ishibashi: Optics Communication.
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[Publications] T. Imasaka, K. Sakaki, N. Ishibashi: Talanta.