1986 Fiscal Year Annual Research Report
アパタイトセラミックスにおける固溶化反応と構造物性制御
Project/Area Number |
61430018
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
金沢 孝文 都立大, 工学部, 教授 (60087286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 仁大 東京都立大学, 工学部, 助手 (70174670)
近沢 正敏 東京都立大学, 工学部, 教授 (90087289)
梅垣 高士 東京都立大学, 工学部, 助教授 (70087287)
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Keywords | アパタイト / アパタイトセラミックス / アパタイト固溶体 / 構造制御 / 物性制御 |
Research Abstract |
溶液反応および固相反応による固溶化を利用した、種々のアニオンまたはカチオン置換型固溶アパタイトの合成と、構造物性の解明とを行った。 1.(1)湿式合成した水酸アパタイトとハロゲン化アンモニウムとを配合し加熱することにより、所望量のFあるいはCLを固溶したアパタイトを得た。(2)Fの固溶量の増加に伴い水酸アパタイト結晶のa軸は縮小しc軸はほとんど変化せず、またCL固溶の場合、a軸は増大しc軸は縮小する、という構造変化を示した。(3)加圧燒結によりF-CL固溶アパタイトは100%近い相対密度の燒結体となり、一部のものは透光性を示した。(4)これらの燒結体において、硬度が500〜700kg/【cm^2】のものを得た。 2.電氣泳動により、チタン板に水酸アパタイトを合成付着させた。そのESCAスペクトルを解析した結果、Ca/P比が量論比になっていないことを認めた。 3.(1)カルシウムイオンを同原子価のカチオン(Sr,Ba等)で置換した水酸アパタイト固溶体は、単位格子の大きさがイオン半径により増減する以外には、アパタイトの基本結晶構造に変化はなかった。(2)カルシウムイオンを異原子価のカチオン(Na,Y等)で置換した水酸アパタイト固溶体では、X線回析およびIR・ラマン分析により、アパタイト単位構造中のOH基の格子位置が一部空位になったものや、酸素イオンに転換したものがあることが、判明した。また電氣的特性を検討したところ、とくにY固溶アパタイトが置換量に応じ10倍以上もの電氣伝導度変化を示すことを見出した。この事実は固溶化による物性制御の可能性を証明したことになる。
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[Publications] 梅垣高士: 石膏と石灰. No.201. 13-17 (1986)
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[Publications] H.OWADA: Journal of the Ceramic Society of Japan. 94. 837-841 (1986)
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[Publications] K.YAMASHITA: Journal of the American Ceramic Society. 69. 590-594 (1986)
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[Publications] K.YAMASHITA: Memoirs of Faculty of Technology Tokyo Metropolitan University. 36. 153-158 (1986)
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[Publications] T.UMEGAKI: Journal of the Ceramic Society of Japan. 95. (1987)
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[Publications] T.KANAZAWA: "Inorganic Phosphate Materials" 講談社,Elsevier Science Publishers, 250 (19871988)