1988 Fiscal Year Annual Research Report
メタクリル酸エステルの重合機構の解明とポリマーの構造制卸
Project/Area Number |
61430022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畑田 耕一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
右手 浩一 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (30176713)
北山 辰樹 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (60135671)
岡本 佳男 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (60029501)
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Keywords | ポリメタクリル酸メチル / 立体規則性 / リビング重合 / 末端基 / 熱分解 / ガラス転移温度 / 重水素化ポリマー |
Research Abstract |
1.(1)tーC_4HgMgBrによるMMAのトルエン中での重合を行い、電子量2000〜35000の高イソタクチック(itー)で分子量分布の狭いPMMAを合成した。高分子量のポリマーの合成には、重合速度を上げるため、リビング重合が可能な上限(-60℃)まで反応温度を高くするとともに、強力な撹伴を行うのが有効であった。(2)tーC_4H_9ーLiーR_3Alによるトルエン中での重合により、分子量2000〜100000の高シンジオタクチック(stー)分子量分布の狭いRMMAを合成した。重合速度はR=C_2H_5の場合が最も大きく、tーC_4H_9Liー(C_2H_5)_3Alが高分子量ポリマーの合成に適した開始剤であることがわかった。これら二つのリビング重合系を用いて、末端構造が同じで立体規則性のみが異なり、分子量とその分布の制御されたPMMAを得ることができた。 2.低温で合成したirーおよびstーPMMAリビングアニオンは0℃で放置すると末端環化したポリマーを生成した。一方、これらのリビングアニオンにHMPAなどの適当な活性化剤の存在下で臭化ベンジルを反応させることによって末端にベンジル基を有するポリマーが得られ、末端官能基の導入が可能なことを明らかにした。 3.(1)立体規則性の異なるPMMAについてTgの分子量依存性を調べて分子量無限大の値を求め、これからstー三連子含量100%、分子量無限大のPMMAのTgの予想値141℃を得た。(2)itーPMMAの熱分解温度は同じ末端構造を有する同程度の分子量のstーPMMAのそれより数℃低いことがわかった。全重水素化PMMAの熱分解温度にも同様の立体規則性依存性が観測されたが、分解点は通常のPMMAより5〜10℃高かった。(3)itーおよびstーPMMAのγ線照射による主鎖切断の頻度はエピ化による立体規則性の変化よりかなり小さかった。紫外線照射によるラジカル生成量、電子線照射による分子量低下やレジスト特性にも立体規則性の影響が認められた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Koichi Hatada: Progress in Polymer Science. 13. 189-276 (1988)
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[Publications] Koichi Hatada: Polymer Bulletin. 20. 317-321 (1988)
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[Publications] Yoshio Okamoto: Polymer Joural. 21. 199-201 (1989)
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[Publications] Yoshio Okamoto: Chemistry Letters. 1879-1882 (1988)
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[Publications] Tatsuki Kitayama: Polymer,Bulletin. 20. 505-510 (1988)
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[Publications] Koichi Ute: Polymer Journal. 21. 231-239 (1989)