1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61440006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
星 元紀 東京工業大学, 理学部, 教授 (20012411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 善徳 東京工業大学, 理学部, 助手 (50173472)
柿沼 勝己 東京工業大学, 理学部, 助教授 (90092543)
沢田 均 東京工業大学, 理学部, 助教授 (60158946)
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Keywords | 精子卵相互作用 / 精子受容体 / ライシン / 先体反応 / Gタンパク / 糖脂質 / グリコシダーゼ / プロテアーゼ |
Research Abstract |
ホヤ、ヒトデ、ウニを用い、精子ー卵相互作用を解析し次の知見を得た。 1.マボヤ精子のグリコシダーゼ中最も活性の高いNーアセチルヘキソサミニダーゼを精製し、その酵素学的な性質を明かにした。ついで活性の高いαーLーフコシダーゼの精製にとりかかったが、極めて不安定でいまだ成功していない。しかしながら、この酵素は精子側の卵黄膜結合タンパクであることを示唆するデータが得られた。また。マボヤ卵黄膜の精子受容体はLーフコース、NーアセチルーDーガラクトサミン、NーアセチルーDーグルコサミンを非還元末端にもつ糖タンパク質であることが示唆されたが、昨年度解析した卵黄膜糖タンパク質の主要糖鎖構造はいずれもそのような構造であった。(星、澤田) 2.^<125>I標識したマボヤ卵黄膜に精子抽出液を作用させた後、全タンパクのSDS-PAGEを行い、ライシンの基質となり得る卵黄膜成分として60Kタンパクを見出した。(澤田) 3.先体反応の誘起に必要なキヒトデ卵ゼリー成分のひとつであるCo-ARIS IIのアグリコン部を有機合成に成功した。(柿沼、藤本) 4.イトマキヒトデ卵母細胞の1ーメチルアデニン情報転換系のうちMPF形成以前には百日ゼキ毒素感受性の39KGタンパクが、またMPF形成以降にはPhe-Ser-Arg-を良く認識するトリプシン型プロテアーゼが関与していることを明かにした。(星、澤田) 5.先体反応、細胞膜融合との関わりで棘皮動物配偶子の糖脂質を解析し、ムラサキウニ卵よりメリビオシルセラミド^*、5種のガングリオシド(内2種は構造決定)、キヒトデ精子よりゲンチビオシルセラミド^*、セロビオシルセラミド^*など興味深い構造の糖脂質を得た(^*新物質)。これらのガングリオシドに対するウサギ抗体を作り、精子・卵相互作用におけるガングリオシドの役割を目下解析中である。(星)
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[Publications] H.Kubo;A.Irie;F.Inagaki;M.Hoshi: J.Biochem.104. 755-760 (1988)
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[Publications] M.Hoshi;T.Matsui;I.Nishiyama;T.Amano;Y.Okita: Cell Differ.Develop.25 Suppl.19-24 (1988)
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[Publications] F.Shilling;K.Chiba;M.Hoshi;T.Kishimoto;L.A.JAFFE: Dev.Biol.
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[Publications] M.T.Sawada;T.Someno;M.Hoshi;H.Sawada: Dev.Biol.
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[Publications] K.Nakamura;T.Yamada;Y.Fujimoto;K.Kakinuma;N.Ikekawa: Chem.Pharm.Bull.36. 2808-2812 (1988)