1988 Fiscal Year Annual Research Report
園芸作物におけるバイオテクノロジー利用に関する基磯的研究
Project/Area Number |
61440010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
八鍬 利郎 北海道大学, 農学部, 教授 (70001394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 卓 北海道学, 農学部, 助手 (30196836)
荒木 肇 北海道大学, 農学部, 助手 (30183148)
原田 隆 北海道大学, 農学部, 助教授 (30001457)
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Keywords | 茎頂培養 / 細胞選抜 / 胚培養 / 不定胚 / プロトプラスト / 凍結保存 / アスパラガス / ヤマノイモ属 |
Research Abstract |
1.プロトプラスト培養:アブラナ科4種6系統において無菌発芽させた子葉よりプロトプラストを単離し培養したところ、B.campestrisとB.oleracea(コールラビ、メキャベツ)で分裂し、コロニーが形成された。このうちメキャベツではカルスを形成し、移植することにより個体が再生した。2.不定胚形成:ヤマノイモ属の栽培種ヤマトイモの茎頂および野生種のウチワドコロの未熟胚よりEmbryogenicカルスが形成され、後者を基本培地に移植することにより不定胚が生長した。ニンニクでは、茎盤部と花床部より得られたEmbryogenicカルスを移植し効率よく再生個体が得られた。また、アスパラガスでは若茎茎頂部より得られたEmbryogenicカルスを振とう培養することにより、各種のステージの不定胚が単離された。これらの発育には、培地の浸透価を高めることが効果的であった。3.胚培養:ジネンジョメナガイモ交雑種子より、胚を摘出するに種子を前培養すると、10μMのGA_3添加培地で胚の発育が促進され0.8mm以上の胚を選んで培養すると、60%以上が実生に生長した。また、ヤマトイモ×ナガイモでも同様の方法で交雑実生を2個体獲得した。4.葯培養:アスパラガス品種'ゴールドシャッツ'の一核前期から2核前期の花粉を内苞する葯を培養することにより、半数性細胞が10%近く存在するカルスが形成された。5.生殖質の凍結保存:耐凍性の高い時の茎頂ではリンゴ、オウトウ、クロミノウグイスカグラで高い生存率を示したが、このうちリンゴは幼植物の再生率が低く、今後の検討が必要である。6.大量増殖法の確立:ギョウジャニンニクの茎頂培養で得られた多芽体の幼芽をさらに培養すると発根し、幼植物となることが確認された。7細胞選抜による病害抵抗性株の作出:目下、アスパラガス茎枯病毒素に対する抵抗性カルスより再生個体を作出中である。また、抵抗性の検定には病菌の胞子を懸濁液として噴霧する方法を確立した。
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[Publications] 鈴木卓: 北海道大学農学部邦紀要. 16. 221-229 (1988)
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[Publications] 荒木肇: 組織培養. 14. 7-11 (1988)
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[Publications] Tatsuhiro Ezawa: Journal of the Faculty of Agriculiure Hokkaido Universitry.64. 51-55 (1989)
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[Publications] 溝延学: 北海道大学農学部邦文紀要. 16. 245-251 (1989)
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[Publications] 鈴木卓: 北海道大学農学部邦文紀要. 16. 295-300 (1989)
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[Publications] 八鍬利郎: "植物組織培養の世界 監修 樋口春三 XII植物茎頂の凍結保存の項" 柴田ハリオ硝子, 299-310 (1988)