1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61440014
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
土屋 英子 広島大学, 工学部, 助手 (90127671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上領 達之 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50025649)
宮川 都吉 広島大学, 工学部, 教授 (10116676)
東江 昭夫 広島大学, 工学部, 教授 (90029249)
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Keywords | 下等真核生物 / DNA複製 / オルガネラ形成 / ペルオキシソーム / Ca^<2+> / カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ / 細胞周期 / 核膜の物質輸送 / 核膜ATPase |
Research Abstract |
1.土屋、東江は酵母のDNA複製調節に関わる核蛋白p70の機能をin vitro系を用いて解析し、本蛋白は酵母のreplication complexがori部位からの複製を始めるために必要な働きをしている可能性を示した。また、抗 p70抗体を用い、発現ベクターλgt11による酵母の遺伝子ライブラリーよりp70遺伝子のクローニングを行なった。2.上領はCanoida tropicalisのペルオキシソーム蛋白アシルCoA酸化酵素のヘルオキシソームへのソーティングに関わる部位について解析し、本酵素のC末端側2/3がソーティングに必要なシグナルを含むことを明らかにした。3.宮川は酵母のCa^<2+>/カルモジュリン依存性プロモインキナーゼを精製し、本酵素が自己リン酸化によりCa^<2+>/カルモジュリンに対する感受性を失う性質を持つことを明らかにした。本酵素はこの性質により細胞内のCa^<2+>に依存した分子スイッチとして働いていると予測される。宮川はまた発現ベクターλgt11による酵母の遺伝子テイブラリーより2種類のカルモジュリン結合蛋白遺伝子のクローニングを行なった。4.土屋、宮川は酵母の細胞周期におけるCa^<2+>役割を、同調培養した細胞の遊離Ca^<2+>を低下させることによって解析した。この結果Ca^<2+>はG1およびM期の2つの時期において必須な働きをしていることを明らかにした。また、酵母のCa^<2+>-ATPaseを阻害するシリンゴマイシンが細胞内の遊離Ca^<2+>の増加を引き起こすと同時に細胞分離を阻害する事を見いだし細胞周期において細胞内遊離Ca^<2+>の増減が重要な調節を行なっている可能性を明らかにした。5.土屋は酵母単離核を用いたin vitroDNA輸送系を確立し、この反応が小麦胚芽レクチン(WGA)によって強く阻害されることを見いだした。さらに、このレクチンが核孔付近に結合することを明らかとし、核膜抽出液からWGAアフィニティーカラムを用いて、核膜の物質輸送に関わると考えられるWGA感受性ATPase単離した。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] K.Ushio: J.Ferment.Technol.66. 481-488 (1988)
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[Publications] T.kamiryo: Yeast. 4. 277-285 (1988)
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[Publications] T.Miyakawa: J.Bacteriol.171. (1989)
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[Publications] E.Tsuchiya: FEBS Letters.
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[Publications] 赤田倫治: 化学と生物. 26. 640-647 (1988)
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[Publications] 宮川都吉: 日本農芸化学会誌. 62. 1802-1804 (1988)
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[Publications] 宮川都吉: 化学の生物. 27. 20-27 (1989)
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[Publications] 上領達之: "酵母のバイオテクノロジー" 学会出版センター, (1988)
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[Publications] 東江昭夫: "バイオ研究データブック 酵母 編" 医学書院, (1988)
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[Publications] 東江昭夫: "バイオテクノロジーレビュー" シー・エム・シー出版, (1988)
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[Publications] 宮川都吉: "酵母の細胞工学の育種" 学会出版センター, (1989)