1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61440025
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菅野 富夫 北海道大学, 獣医学部, 教授 (50009982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 敏之 北海道大学, 獣医学部, 助手 (10162215)
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Keywords | チトクローム / 酸化還元位 / CCK-8 / 膵消化酵素放出反応 / 膵液流量上昇反応 / 栄養効果 / 細胞内のCaイオン / (Na^+、K^+)ATPase |
Research Abstract |
(1)ラット摘出膵潅流標本を用いて、次のような結果を得ている。これまで、蛋白分解酵素阻害薬をラットに経口投与すると、消化管粘膜のCCK分泌細胞からCCKが血中に放出され、それが、膵腺房細胞の肥大・増殖を引きおこすことが知られている。合成蛋白分解酵素阻害薬FOY-305投与によって肥大した膵を摘出し潅流標本を作製した。この標本は、何らの刺激を加えていない静止状態でも、対照標本の10倍にも及ぶ膵液流量がみられ、この機構は、1)(Na^+、K^+)ATPase系、2)アミロライド感受性Na^+-H^+対向輸送系、および、3)独特のCl^-輸送系の活性化にあることを明らかにした。(2)Fura-2/AMをラット膵腺房標本にとりこませ、[Ca^<2+>]cを定量し、画像処理によって[Ca^<2+>]cの細胞内空間変化と、時間的変化を解析する方法を確立した。CCKー8(コレシストキニンのC端8個のペプチド)で刺激すると[Ca^<2+>]cが上昇し、この上昇は隣接する細胞も同期して変化することをはじめて明らかにした。(3)ラット摘出膵潅流標本をCCK-8で持続的に刺激すると、CCKー8濃度依存性に分泌反応が起こることをすでに明らかにした。最大分泌反応をおこす100pmCCK-8(薬理的濃度)刺激時には、チトクロームa(a_3)、bおよびc+c_1が平行して環元方向に変化した。1nMCCK-8(病的濃度)で刺激すると、放出反応は小さいのにチトクローム平行反応はかえって大きくなった。このチトクローム平行反応は、細胞内にミトコンドリア周辺に形成されるO_2勾配に起因すると推定される。標本へのO_2供給を上昇させるようにすると、上記のチトクローム平行還元反応は抑えられた。反対に、標本へのO_2供給を少し低くすると、チトクローム平行還元反応は大きくなった。[Ca^<2+>]c上昇が電子伝達系を促進し、O_2消費を高めていると考えられる。
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[Publications] ISHIKAWA,Toru: Exocrine Secretion(WONG,R.Y.D. and YOUNG,J.A. Eds.). 93-94 (1988)
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[Publications] 菅野富夫: 医学のあゆみ. 144. 321-326 (1988)
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[Publications] 菅野富夫: 現代医療. 20. 1031-1035 (1988)
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[Publications] 菅野富夫: 消化器科. 9. 289-294 (1988)
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[Publications] 菅野富夫: 生体の科学. 39. 504-505 (1988)
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[Publications] 松本武久: 日磁医誌. 7. 223-232 (1988)
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[Publications] KANNO,Tomio: Malecular Mechanisms in Secretion(THORN,N.A.,TREIMAN,M. and PETERSEN,O.H. Eds.). 315-323 (1988)
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[Publications] MATSUMOTO,Takehisa: American Journal of Physiology. 254. G575-G579 (1988)
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[Publications] MATSUMOTO,Takehisa: American Journal of Physiology. 254. C727-C734 (1988)
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[Publications] ISHIKAWA,Toru: Biomedical Research. 9. 287-304 (1988)
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[Publications] KANNO,Tomio: Calcium Signal and Cell Response(YAGI,Koidhi and MIYAZAWA,Tamotsu Eds.). 232-233 (1988)
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[Publications] KANNO,Tomio: Exocrine Secretion(WONG,P.Y.D.,and YOUNG,J.A. Eds.). 96-98 (1988)
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[Publications] FUJITA,Tsuneo: "The Paraneuron" Springer-Verlag, 1-367 (1988)
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[Publications] 菅野富夫 翻訳: "動物の痛み(Animal Pain)" 学窓社, 1-177 (1988)