1988 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間情報伝達の遺伝子機構と免疫ネットワーク・システムの形成に関する研究
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61440036
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
谷口 克 千葉大学, 医学部, 教授 (80110310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 雅敏 千葉大学, 医学部, 助手 (20171572)
徳久 剛史 神戸大学, 医学部, 教授 (20134364)
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Keywords | 抑制T細胞リセプター / α鎖遺伝子 / トランスジェニック・マウス / 免疫応答調節 |
Research Abstract |
1.KLH特異的Ts hybridoma由来α鎖遺伝子の発現:1)調べたすべてのTsハイブリドーマで同一のα鎖が使用されていた。2)PNaseプロテクション法を用いて正常胸腺脾細胞での発現頻度を調べると、全α鎖の1.5%にも達し高頻度に使用されている。3)PCR法により正常脾から17個のcDNAを単離し塩基配列を調べたところ15/17は全く同一のVJ_<α281>を用いており、しかも全て1個のN領域でアミノ酸レベルではKLHーTs hybridomaのものと全く同一のものであった。4)これらの結果を総合するとV_<α281>陽性のα鎖のうち約85%はJ_<α281>に選択的にrearrangeすることが判明した。5)fetus,neonateではこのV_<α281>やJ_<α281>の発現を認めるがV_αV_<α281>の組合せからなるこのα鎖の発現はない。しかし5〜8週令において最大になるところから、このα鎖のLigandはこれまで知られていない自己成分であり、KLHとは交叉反応しているものと考えられた。以上のことから、T細胞のレパトアは細胞に比べて著しく限定されていることが判明した。2.トランスジェニック・マウスの作成に関する成果:in vitro実験系1)VJ_<α281>遺伝子をベクターに結合しヒトα鎖欠失Jwkat細胞株に導入、発現を調べたところ、レセプターとして機能することが判明した。3.Anstisense Iaトランスゲニック・マウスを作成し、T細胞レパトアの形成に関する影響を調べることを目的とした。1)Antisense IA_βは3′UTおよび5′UTに対して作った場合にのみ効率良く機能したがExon部分に対しては無効であった。2)Antisense IA_β導入細胞では特異的にIA分子の発現を抑制した。3)IA抗原の発現が20%以下になると抗原提示能力を失なった。以上のことから、Antisenseはin vitroにおいて有効に機能することが判明したので、2,3についてはトランスジェニック・マウスを作成中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Takahashi,K.;Ono,K.;Hirabayashi,Y.;Taniguchi,M.: J.Immunol.140. 3244-3248 (1988)
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[Publications] Ono,K.;Takahashi,K.;Hirabayashi,Y.;Itoh,Y.;Taniguchi,M.: Cancer Res.48. 2730-2733 (1988)
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[Publications] Soejima,T.;Nagayama,A.;Sado,T.;Taniguchi,M.: J.Mol.Cell.Immunol.4. 87-95 (1988)
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[Publications] Sakiyama,H.;Matsushita,E.;Kuwabara,I.;Nozue,M.;Takahashi,T.;Taniguchi,M.: Cancer Res.48. 7173-7178 (1988)
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[Publications] Matsushita,E.;Sumida,T.;Tagawa,M.;Taniguchi,M.: Int.Arch.Allergy and Appl.Immunol.
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[Publications] Hatano,M.;Aizawa,S.;Soejima,T.;Shigemoto,K.;Taniguchi,M.;Tokuhisa,T.: Intl.Immunol.
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[Publications] Taniguchi,M.;Imai,K.;Koseke,H.: "Molecualr analysis of suppressor T cell receptors.In:T cell Receptorructure." Harwood Academic Publishers, 229-239 (1988)
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[Publications] Taniguchi,M.: "Is there a unique language in the immunoregulatory system? In:NATO ASI Series,Vd.H23.The Semiotics of Cellular Communication in the Immune System" Springer-Verlag, 219-231 (1988)