1988 Fiscal Year Annual Research Report
DNA-hemoglobin-adducts分析による生物学的モンタリング
Project/Area Number |
61440038
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池田 正之 東北大学, 医学部, 教授 (00025579)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中塚 晴夫 東北大学, 医学部, 助手 (70164225)
渡辺 孝男 東北大学, 医学部, 助教授 (20004608)
|
Keywords | SCE / トリクロロエチレン / テトラクロロエチレン / 曝露労働者 / 末梢血リンパ球 |
Research Abstract |
adducts形成の可能性のある症例を検索する目的で、動物レベルでの発癌性がすでに確認されておりしかも現在なお人体曝露、テトラクロムエチレンおよびトリクロロエチレン混合曝露を受けている労働者の末梢血リンパ球を検体として姉妹染色分体交換率試験(SCE)を行った。被検者はテトロラクロロエチレン曝露13名(平均曝露濃度10ppm)、テトロラクロロエチレンナトリクロロエチレン混合曝露群10名(平均曝露濃度17ppmおよび8ppm)で、平行して前者に対しては12名、後者に対しては9名の非曝露村照群についても検索を行った。対照群は年齢・性・喫煙習慣を考慮して選択を行った。曝露群および混合曝露群のSCEをそれぞれ対応する対照群のSCEと比較した場合、いづれかについても曝露に伴うSCEの有意な上昇は見出されなかった(P>0.10)。しかし被検者を喫煙者と非喫煙者に分けて比較すると、対照群内では喫煙・非喫煙者の間でSCEに有意な差を認めない(P>0.10)が曝露群・混合曝露群の喫煙者(男子)と対応する対照群の非喫煙者(男子)についてSCEを比較すると、前者の値は後者の値に比して有意(P<0.05)に上昇していた。この所見はテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン曝露と喫煙の間に相乗または相加作用の成立する可能性を示唆する。昭和63年9月に研究代表者(池田正之)が東北大学より京都大学ら転出したことに伴い。研究機器を東北大学より京都大学に移管し、ガスクロマトグラフ-質量分析計の習熟訓練を含めた新たな研究組識の設営を京都大学において開始した。
|