1989 Fiscal Year Annual Research Report
セル・ソ-タ-を利用した遊離細胞における各種血液型の遺伝子型判定の試み
Project/Area Number |
61440040
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Research Institution | Department of Legal Medicine, Shinshu University |
Principal Investigator |
支倉 逸人 信州大学, 医学部, 教授 (40049789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 正穂 信州大学, 医学部, 助手 (50115333)
福島 弘文 信州大学, 医学部, 助教授 (70135218)
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Keywords | セル・ソ-タ- / 白血球HLA型 / サザンハイブリダイゼ-ション / HLAークラスII抗原 / RFLP / ホモ接合体 / ヘテロ接合体 |
Research Abstract |
セル・ソ-タ-を利用した白血球HLA型の遺伝子型判定の研究では、あるHLA遺伝子座のある抗原について、ヘテロ接合体とホモ接合体の区別は、得られた蛍光強度から識別可能であった。しかし、ブランク遺伝子を含むヘテロ接合体とホモ接合体との区別は不可能であった。そこで、HLAーDRクラスII抗原についてヘテロ接合体、ホモ接合体およびブランク抗原ないしはブランク遺伝子を持つ細胞から、DNAを抽出後、EcoRI、MspI、PstIおよびTaqI制限酵素で処理後、サザンハイブリダイゼ-ションを行い出現するバンドの多型性RFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism)を観察し、被検細胞の遺伝子型が、ホモ、ヘテロないしはブランク遺伝子とのヘテロ接合体からの識別の可能性について検討した。用いたプロ-ブは、1.2KbのDQβ鎖cDNAであった。細胞のHLA型は、EBトランスフォ-ムBリンパ芽球様細胞株のDR2・Dw2型、DR2・Dw12型、および一般健康人から得たリンパ球DR2DR2、DR2DR-、DR1DR2、DR2DRw8、DRw8DR-、DR1DR9とDR9DR-であった。 結果:各種DR抗原がホモ接合体であるBリンパ芽球様細胞から抽出したDNAで得られた日本人特徴的な標準的RFLPパタ-ンを参考に一般健康人の細胞より抽出したDNAで得られたRFLPパタ-ンを比較したところ、DR2DR-ではTaqIで2.2Kbに、DRw8DR-では、EcoRIで3.8Kb、TaqIで9.0Kb、MspIで5.1Kbに、DR9DR-では、EcoRIで3.4Kbと2.4Kb、TaqIで6.0Kbに、MspIで5.1Kbにそれぞれブランク抗原に相当するバンドが観察され、被検細胞が、ホモ接合体かブランク抗原を作る遺伝子とのヘテロ接合体であるかの判定が可能であった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hasekura,H: "Flow cytometoric studies of the D antigen of various Rh phenotypes:with paticular reference to D^U and Del phenotypes." Transfusion. 29. (1990)
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[Publications] Ota,M.: "Flow cytometoric analysis of the Rh1(Rho,D)antigen activity on red cells:various Rh blood group phenotypes including D^u variants" Jpn.J.Legal.Med. 43. 122-127 (1989)
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[Publications] 太田正穂: "RHおよびHLA各血液型システムの遺伝子型判定法に関する研究" 信州医誌. 37. 605-620 (1989)