1988 Fiscal Year Annual Research Report
ソマトメジンーC生体内における生理的及び薬理的作用に関する研究
Project/Area Number |
61440052
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Research Institution | Tokyo Women's Medical College |
Principal Investigator |
鎮目 和夫 東京女子医科大学, 第二内科, 教授 (40075156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安本 久美子 東京女子医科大学, 第二内科, 助手 (80151017)
肥塚 直美 東京女子医科大学, 第二内科, 講師 (80147397)
高野 加寿恵 東京女子医科大学, 第二内科, 助教授 (50096608)
対馬 敏夫 東京女子医科大学, 第二内科, 教授 (90101089)
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Keywords | ソマトメジンC / IGFーI |
Research Abstract |
ソマトメジンC(IGFーI)の作用のみならず、種々の細胞における細胞増殖作用、又、インスリン様作用が報告されている。しかしこれらの作用はIGFーIJの純品の不足から、in vitroの系で主に観察されており、このin vitroの系での作用がすべて生体内で生理的意義をもっているかは明らかではない。最近、遺伝子工学によりIGFーIが作製され、in viroで研究が可能となった。本研究ではこの遺伝子工学で作製されたIGFーIを用いて、IGFーIの生物学的作用を検討した。本年度は主に低栄養状態のラットにおける作用およびIGFーI投与時のIGFーIの血中動態について検討した。食餌を減量したラットにIGFーIを投与するとIGFーI非投与ラットに比べ体重減少が抑制され、血中尿素窒素及び血中クレアチンの低下を認めた。又、尿中クレアチン、尿中3ーメチルヒスチジンが低下した。これらの成績は昨年の飢餓ラットでの成績と同様にIGFーIが蛋白異化及び筋肉の崩壊を抑制する作用を有すると考えられた。又、IGFーIを一回皮下投与し、血中の全IGFーIおよび遊離型IGFーIを経時的に測定した。投与1時間では投与前に比べ遊離型IGFーIが増加した(15.5±2.9%vs1.5±0.1%)。遊離型/全IGFーI比は投与1時間で最高であり、以後時間経過とともに減少した。血糖は投与1時間で低下しはじめ、投与後2〜3時間で最大の血糖降下を認めた。遊離型IGFーIの増加が低血糖に関係していると思われた。本研究においてIGFーIが低栄養ラットにおいて蛋白異化抑制作用を示したことは、将来の低栄養状態や消耗疾患のIGFーI治療の可能性を示唆した。又、将来、IGFーIを治療剤として用いる際にはIGFーI全値および遊離型の血中動態を対象疾患で検討する必要があると考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hizuka N.;et al.: Gunma Symposia on Endocrinology. 25. 137-147 (1988)
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[Publications] Hizuka N.;et al.: Acta Paediatr.Scand.Suppl.347. 127-133 (1988)
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[Publications] Saji M.;et al.: Acta Endocrinol.119. 145-151 (1988)
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[Publications] Miyakawa M.;et al.: J.Clin.Endocrinol.Metab.67. 973-978 (1988)
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[Publications] Hizuka N.,et al.: "Basic and Clinical Aspects of Growth Hormone:Biological action of insulinーlike growth factorーI in vivo." Plenum press, 223-231 (1988)