1986 Fiscal Year Annual Research Report
グラヌロポエチンに対するモノクローナル抗体作製とそれを用いた顆粒球造血の研究
Project/Area Number |
61440054
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
仁保 喜之 九大, 医学部, 教授 (60091287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 英次 九州大学, 医学部, 医員
大原 紀彦 九州大学, 医学部, 医員
大塚 輝久 九州大学, 医学部, 助手 (20185317)
渋谷 恒文 九州大学, 医学部, 助手 (70133171)
岡村 精一 九州大学, 医学部, 講師 (20136435)
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Keywords | グラヌロポエチン / 大量細胞培養 / 陰イオン交換クロマトグラフィー / 逆相クロマトグラフィー / G-CSF / GM-CSF / モノクローナル抗体 / GM-CSF遺伝子発現 |
Research Abstract |
1.グラヌロポエチン(別名CSF)を含む細胞培養上清液の大量作製. 我々の教室で、白血球増加症を呈した肺癌患者から樹立したKONT,KSNY、KMNT細胞株とオンタリオ癌研から分与されたヒト膀胱癌細胞株HTB9の培養を行った。強いグラヌロポエチン活性を有するHTB9細胞培養上清を毛細管循環式培養法とマイクロキャリアーを用いる回転浮遊培養法により大量に採取した。 2.各種のグラヌロポエチンの純化.120Lの培養上清を限外濾過濃縮し、それにゲル濾過,クロマトフォカシング,レクチンアフィニテークロマトなどを行ったが、陰イオン交換クロマトと逆相クロマトが効果的であった。すなわち陰イオン交換クロマトでは低塩濃度に溶出されるA成分と高塩濃度に溶出されるB成分とにグラヌロポエチンは分離可能であった。A成分は逆相クロマトで1億単位/mg蛋白以上の高純度に純化しG-CSFに対応する。またHTB9細胞はグラヌロポエチンの一つであるGM-CSFを大量に発現していることをGM-CSFのcDNAをプローベとしてノーザンブロッテングで証明し、これはB成分に対応した。さらにGM-CSFのリンパ球における発現動態を観察し、IL2やIFNΥより速くレクチンの刺激に反応することを証明した。 3.グラヌロポエチンに対する抗体の作製およびその利用. A成分とB成分とをそれぞれ家兎とマウスに免疫し抗血清を得た。A成分に対する抗体はG-CSFの造血細胞増殖刺激活性を抑制した。更に組み換え型G-CSFに対する抗体も作製し、ウエスタンブロットでその純度を確認し、ラジオイムノアッセイが可能であることが判明した。モノクローナル抗体産生ハイブリドーマは細胞融合により多数のクローンを作製し、現在より特異的なものを選別中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 岡村精一,渋谷恒文,仁保喜之: 臨床血液. 27. 1204-1211 (1986)
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[Publications] Koga T;Nakano S;Nakayama M;Kounoue E;Nagafuchi S;Niho Y;Yamada H: Cancer Research. 46. 4431-4437 (1986)
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[Publications] Otsuka T;Okamura S;Niho Y: Acta Haematologica Japonica. 49. 1792-1799 (1986)
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[Publications] Kikuchi M;Takeshita M;Tashiro K;Mitsui T;Eimoto T;Okamura S: Virchows Archiv(Pathol Anat). 409. 299-311 (1986)
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[Publications] Nakayama M;Nakano S;Koga T;Iwakiri R;Niho Y: Cancer Research. (1987)
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[Publications] Niho Y;Asano Y;Shibuya T;Okamura S: Japanese Journal of Cancer Research(GANN). (1987)
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[Publications] 岡村精一,仁保喜之,大塚輝久,高久史磨,青木延雄,仁保喜之,長尾大 編: "白血病と造血幹細胞「Annual Review 血液¨" 中外医学社, 93-104 (1987)