1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61440063
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森 昭胤 岡山大学, 医学部, 教授 (20028434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水川 公直 岡山大学, 医学部, 講師 (40137154)
西本 詮 岡山大学, 医学部, 教授 (50032850)
渡辺 洋子 岡山大学, 医学部, 助手 (70135945)
平松 緑 岡山大学, 医学部, 助手 (70124790)
横井 功 岡山大学, 医学部, 助手 (80150366)
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Keywords | 外傷性てんかん / 鉄塩誘導 / ヒドロキシル・ラジカル / クエン酸鉄 / ス-パ-オキシドジスムタ-ゼ / 過酸化脂質 / エピガロカテキン / アスコルビン酸ラジカル |
Research Abstract |
われわれは外傷性てんかんの実験モデルとして、ラット脳感覚運動領野に塩化第一鉄あるいは塩化第二鉄溶液を投与し、鉄イオン誘導てんかん焦点形成のメカニズムを研究してきたが、今年度は昨年度に引き続き次のごとき知見をうることができた。 1.鉄塩誘導てんかん焦点組織の過酸化脂質及びス-パ-オキシド・ジスムタ-ゼ(SOD)活性に対する酸素の影響:ラットの大脳皮質感覚運動領野にFeCl_3を注入後、80%酸素を1週間吸入させると,過酸化脂質(TBRAS値)は対照群に比し有意に低下したが、100%酸素を与えた場合はTBRAS値は有意に増加することを観察した。SOD活性はミトコンドリア分画は酸素投与によりいずれも増加したが、細胞質上清分画のSOD活性は100%酸素1週間吸入の場合は有意に低下した。これらの事実から、酸素ストレスはてんかん焦点組織における細胞膜の過酸化を促進するとともに、代償性に一時期活性酸素防御機構としてSOD活性が亢進することが想定された。 2.鉄塩に対する生体防御機構:ラット血液の体外循環カニュ-レを電子スピン共鳴(ESR)測定管に直接接続して、血液中のラジカル直接測定する方法を開発し、クエン酸鉄を注射した結果、血液中に著明なアスコルビン酸ラジカルが検出された。この事実は鉄イオンにより発生したO^-_2,やーOHの処理にアスコルビン酸が動員されたことを示唆する 3.抗酸化剤による鉄塩誘導てんかん焦点形成の予防:(-)ーエピガロカテキン(EGC)に強い抗酸化作用及び活性酸素消去作用のあることを見いだした。また、鉄塩投与後にEGCを注射すると、てんかん焦点形成が予防できることを脳波学的に明らかにした。 4.てんかん患者焦点組織の分析:てんかん焦点組織のSOD活性は代償性に亢進している場合のあることを見い出した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] A.Mori,R.Edamatsu,M.Kohno,and S.Ohmori: "A new hydroxyl raidcal scavenger:EPC-K_1" Neurosciences. 15. 371-376 (1989)
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[Publications] A.Shiota,M.Hiramatsu,and A.Mori: "Amino acid neurotransmitters in iron-induced epileptic foci of rats" Research Communications in Chemical Pathology and Pharmacology. 66. 123-133 (1989)
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[Publications] 森昭胤: "てんかんー生化学的研究の進歩ー特に外傷性てんかんの成因についての実験的研究" 小児内科. 22. 13-18 (1989)
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[Publications] I.Yokoi,H.Kabuto,K.Akiyama,and A.Mori: "Tannins inhibit the occurrence of epileptic focus induced by FeCl_3 injection in rats" The Japanese Journal of Psychiatry and Neurology. 43. 552-553 (1989)
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[Publications] A.Mori,M.Hiramatsu,I.Yokoi,and R.Edamatsu: "Biochemical pathogenesis of post-traumatic epilepsy" Pavlovian Journal of Biological Science. 25. (1990)
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[Publications] N.A.Janjua,A.Mori,and M.Hiramatsu: "Increased aspartic acid release in the iron-induced epileptic focus" Epilepsy Research. 5. (1990)
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[Publications] A.Mori,M.Hiramatsu,R.Edamatsu,and M.Kohno: "Medical,Biochemical and Chemical Aspects of Free Radical," Elsevier Science Publishers, 4 (1989)
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[Publications] M.Hiramatsu,A.Shiota,R.Edamatsu,M.Kohno and A.Mori: "Medical,Biochemical and Chemical Aspects of Free Radical" Elsevier Science Publishers, 4 (1989)