1986 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植の前提条件であるショック臓器の可逆・不可逆性とその改善の研究
Project/Area Number |
61440067
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
宮崎 正夫 京府医大, 医学部, 教授 (30079933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 光喜 京都府立医科大学, 麻酔学教室, 助手 (50167053)
光藤 努 京都府立医科大学, 麻酔学教室, 講師 (20128721)
奥田 千恵子 京都府立医科大学, 麻酔学教室, 講師 (70079937)
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Keywords | 虚血心 / 心原性ショック / イソフルレン / PG【I_2】 / 冠血流量 / 出血性ショック / TRH |
Research Abstract |
1.実験的虚血心による心原性ショック時の冠循環に対する麻酔薬および血管作動薬の治療的作用の研究 雑種成犬を対象に心筋梗塞を作成した。麻酔下両側開胸により心拍出量は電磁流量計を上行大動脈に装着測定し、動脈圧,CVPも測定し、左冠動脈前下行枝結紮により虚血心ないし心原性ショックを作製した。局所心筋血流量の測定は水素クリアランス法により実施した。先ずイソフルレンの作用を検討したが、イソフルレン濃度1%はイヌで0.75MACに相当し、これ以上の濃度で心原性ショックが発生した。このさいPG【I_2】を投与すると状態は変化する。その投与前中後を比較すると、心拍出量は投与中に有意に増加する。RPPは有意な変化はないので心筋酸素需要量は変化がないと思われる。左心室の局所血流量は正常部位では有意な変化はないが、虚血部位ではPG【I_2】投与により前後に比して1.3倍と有意に変化した。冠灌流圧は有意な変化がなかった。今年度の実験で、今後よく心血管手術の麻酔薬として用いられると思われるイソフルレンによって比較的低濃度で心に作用することがわかった。そしてそのイソフルレン麻酔時にPG【I_2】を投与することにより、虚血心筋に対し、酸素の需給バランスを改善することにより、心筋を保護するように改善することを発見した。この点はもし今後心臓移植の麻酔が必要な時の重大な資料となりうる。 2.実験的出血性ショックにおけるThyrotropin Releasing Hormon系薬物の作用の研究 ラットにおいて循環血液量の1/2の高度の出血性ショックを作り、TRHおよびその系列物質の静脈内、脳室内投与によって不可逆性ショックの改善がみられるか否かを検討したが、死亡率は未だ明確でないが、その他のモニタリングで、TRHは有用と判明した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 李光喜: 麻酔. 36. (1987)
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[Publications] 光藤努: 京都府立医科大学雑誌. 95. 457-462 (1986)
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[Publications] 光藤努: 京都府立医科大学雑誌. 95. 463-469 (1986)
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[Publications] 奥田千恵子,溝部俊樹,宮崎正夫: 病態生理. 6. 111-116 (1987)
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[Publications] 奥田千恵子: Shock. 1. 37-52 (1986)
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[Publications] Chieko OKUDA;Masao MIYAZAKI,et al: J.Pharmacobio-Dyn.9. 98 (1986)
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[Publications] Masao Miyazaki: "Cardiovascular Actions of Anesthetics and Drugs Used in Anesthesia.vol.2.Influence and Use of Anesthetics on the Cardiovascular System during Shock and Trauma" Karger,Basel,Switzerland, 294(21) (1986)