1989 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植の前提条件であるショック臓器の可逆・不可逆性とその改善の研究
Project/Area Number |
61440067
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
宮崎 正夫 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30079933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 悟 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90167578)
細川 豊史 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80165555)
奥田 千恵子 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (70079937)
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Keywords | 脳虚血 / 脳内コリン作動神経系 / コリン・アセチルトランスフェラ-ゼ / TRH / 脳内糖値 / 脳内乳酸値 / 脳内芳香族アミノ酸 / アルギニン |
Research Abstract |
1.重症ショック時ないし脳虚血時などの脳内変化とその修復 (1)虚血および虚血後血行再開のさいの脳内コリン作動性神経系動態 対照、両側総頚動脈結紮群、血流再開群でコリン・アセチルトランスフェラ-ゼ、アセチルコリンエステラ-ゼ,アセチルコリンレセプタ-活性は後2者群はレセプタ-を除き低値で血流再開しても低かった。 (2)高濃度酸素の脳内コリン作動性神経系への影響 脳蘇生としての純酸素を投与すると以上の活性は増強するが、アセチルコリンエステラ-ゼは不変である。蘇生現象と共に中毒初期係とも考えられる。 2.TRHに関する研究、その昇圧・ショック時作用機序 TRHはショック時の昇圧物質として作用する。とくに中隔で有意に増加する。また高濃度のKが量依存性にTRH遊離を増加する。出血の刺激によって中隔のTRH含有神経終末の膜の脱分極が起こりTRHの遊離を増す。 3.脳内乳酸および糖の変動 出血性ショック時やエンドトキシンショック時に微小透析プロ-ブを用いた乳酸および糖の経時的測定によれば、血中、肝、筋肉中の乳酸と糖は90分までに上昇するが、筋肉で最も軽度である。脳では両者の増加の程度は少なく、中枢神経系の嫌気性代謝は比較的亢進していない。 4.アミノ酸代謝 脳内のフェニルアラニン、チロシンなどの芳香族アミノ酸の増加は著しく、昏睡の原因となると考えられる。侵襲のさいのアルギニンの役割について検討したが、非必須アミノ酸であるが回復因子としての役割は重要であり、小腸がアルギニン合成に必須の臓器であることがわかった。小腸大量切除などの高アンモニア血症にはアルギニンが有効である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Miyazaki,Masao et al: "Pathophysiology of circulatory shock:An overview" Magnesium. 8. 163-178 (1989)
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[Publications] Miyazaki,Masao et al: "Three approaches to pathophysiology of shock" Journal of Anesthesia. 2. 258-271 (1988)
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[Publications] Miyazaki,Masao et al: "Humoral effects of ATP,nicardipine and propranolol in trimethaphan induced hypotension and comparison of nicardipine and nifedipine" Proc.4th Int.Sympo.on endocrinology in anesthesia and surgery. 4. (1990)
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[Publications] Okuda,Chieko et al: "Determination of endogenous and systemically administered thyrotropin-releasing hormone(TRH)in push-pull perfusate of the fourth ventricle of conscious and pentobarbital-anesthetized rats." Ann.N.Y.Acad.Sci.553. 514-516 (1989)
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[Publications] Hosokawa,Toyoshi et al: "Interaction between immunological change and serum cortisol concentration in patients undergoing major and minor surgery" Proc.4th Int.Sympo.on endocrinology in anesthesia and surgery. 4. (1990)
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[Publications] 大畑恵美子: "実験的腎虚血におけるDichloroacetateの腎保護作用" 京都府立医科大学雑誌. 98. 1177-1189 (1989)
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[Publications] 宮崎正夫: "研修医のための蘇生法における最新薬物療法" 克誠堂, 184 (1990)
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[Publications] 宮崎正夫: "図説救急医学講座4.ショックと急性臓器不全(杉本侃編)" メジカルビュ-社, 260( 12) (1990)