1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61440072
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野村 恭也 東京大学, 医学部(病), 教授 (30009948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 誠 東京大学, 医学部, 助手 (10173072)
船井 洋光 東京大学, 医学部, 講師 (90142249)
北多村 健 東京大学, 医学部, 講師 (90010470)
水野 正浩 東京大学, 医学部, 助教授 (10049059)
倉田 毅 国立予防衛生研究所, 病理部, 部長 (50012779)
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Keywords | ウイルス / 突発性難聴 / 外リンパ瘻 / レーザー / モデル動物 / 内耳破壊 / 聴神経単一活動電位 |
Research Abstract |
1.感音難聴モデル動物の作成 (1) 外リンパ瘻モデル動物;小脳硬膜下に人工外リンパ液を注入することにより内耳窓破裂をおこすことができる. 組織学的に膜迷路に種々の所見が見られ, 臨床症状の多様性に合致した. モルモットの蝸牛窓にのみmembrana limitansがあるが, 内耳窓破裂の時のその変化を形態学的に調べたところ内耳窓破裂に先立ってMembrana limitansが穿孔をおこすことがわかった. (2) ウイルス性突発性難聴モデル動物;I型ヘルペスウイルス及びサイトメガロウイルスを用いた. これまでの内耳接種したものに加えて, 中耳接種したものも作成し, 内耳へ感染する様子を形態学的に検討した. 比較的早期のうちに蝸牛神経節へ感染をおこすことがわかった. 感染早期にマクロファージの出現が内耳におこることもわかった. サイトメガロウイルス感染の母親から出生した子供に奇形を伴ったものがいたので, 催奇形性や経殆盤感染という面からも検討を加えている. (3) レーザーによる内耳破壊動物;蝸牛窓膜を焼灼せずに膜迷路を, 球形襄壁を焼灼せずに耳石膜を破壊することができ, 骨壁照射により血管条萎縮もおこしうることがわかった. 今後, 更に研究を重ね臨床手術にも応用できるかと考えている. 2.神経細胞の単一活動記録によって, ヒトのオージオグラムに担当するものを作成するためには, 多数の細胞から安定的に記録をとる必要がある. しかし, モルモットでは聴神経からの記録は比較的不安定であるので蝸牛神経核のニューロンから記録する方がよいことがわかった. これにより比変的容易に一耳一耳のオージオグラムの作成が可能となり, それは文献的条件付けでの結果とよく一致した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nomura Y; Hara M; Okuno t: Acta Otolaryngology. (1988)
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[Publications] Nomura Y; Hara M; Kurata T: Acta Otolaryngology. (1988)
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[Publications] Nomura y; Harada i; Hara M: ORL. (1988)
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[Publications] 奥野妙子,野村恭也,原誠: Ear Research Japan. 19. (1988)
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[Publications] 菅沢正,仙波哲雄,室伏利久,野村恭也,森浩一: Ear Research Japan. 19. (1988)
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[Publications] 原誠: 耳鼻咽喉科展望. (1988)