1986 Fiscal Year Annual Research Report
子どものよい動きのとらえ方-各種スポーツ動作の自動診断システムの開発
Project/Area Number |
61440088
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮下 充正 東大, 教育学部, 教授 (80023571)
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Keywords | 動作解析 / 跳躍動作 |
Research Abstract |
本研究では、子どものよい動きの定量化という観点から、もっとも基本的な動作の1つである跳動作に着目し、練習に伴う改善の様相を検討した。 幼児および児童(5〜12才)計237名を対象にし、約2ヶ月間の走幅跳の練習を課し、練習による跳躍距離の変化と動作の改善について検討した。動作分析には、映画分析法を用い、踏切、空中、着地局面における腕、上体、脚などの動作を評価した。 練習を行う前の跳躍距離は年齢とともに増加し、その増加は主に体重いいかえれば筋量の増加によることが考えられた。一方、2ヵ月の練習を課すと跳躍距離は7、8歳ごろをピークに40cm近い伸びが認められ、その前後つまり5、6歳あるいは11、12歳ではそれほど大きな伸びは現れなかった。したがって、走幅跳びにおける働きかけの至適時は、男女ともに小学校低学年であるということが示唆された。 跳躍距離が助走速度と技術という2因子によって成り立っていると考えると、練習による跳躍距離の増加は技術の改善というよりもむしろ助走速度の増加という因子の方が強かった。しかし、動作それ自体を観察すると、着地動作を除けば著しい改善が認められ、着地動作をさらに指導することで、より一層跳躍距離が向上すると推定された。 すなわち、本研究によって、小学校低学年までによい動きを得るための働きかけが必要であり、それを行えば跳躍距離の増大が期待できるという実証が得られ、今後の各種スポーツ動作の自動診断システムの開発にきわめて有用な基礎資料が得られた。
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