モヤモヤ病およびその治療に関する研究

1986 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 61440099
• Research Institution: Tokyo Medical and Dental University
• Principal Investigator: 松島 善治 医科歯科大, 医学部, 助教授 (20134679)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小松 清秀 東京医科歯科大学, 医学部・脳神経外科, 講師 (40014104) ; 大野 喜久郎 東京医科歯科大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (50014238) ; 山口 武兼 東京医科歯科大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (60111605) ; 田畑 均 東京医科歯科大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (80138479) ; 鈴木 龍太 東京医科歯科大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (50154604)
• Keywords: モヤモヤ病 / モヤモヤ病の手術 / Xenon-enhanced CT / STAの解剖 / Encephalo-duro-arterio-synangiosis(EDAS) / EDASの適応 / EDASの効果 / EDASの術中・術後合併症

Research Abstract

昭和61年度の科学研究費補助金交付の内定が通達されたのが、昭和61年10月15日であり、したがって、設備の購入等はあまり研究内容に反映されていないのが現状である。
最近のモヤモヤ病に対する研究成果をまとめると以下の様である。
1.EDASおよびその他の間接的外頸動脈/内頸動脈動脈吻合術は成人モヤモヤ病でも有効である。
2.EDASはモヤモヤ病以外の小児の慢性脳乏血疾患にも症例、手術時期を選べば有効である。
3.EDASは脳全体の血流量はさほど増加させないが、血流の分布をかなり、変化させる。特に頭皮動脈を移植した部位の直下では極めて血流が良好であることが明らかとなった。従って、左側ではSTAの前枝も用いてEDASを行えば、知能の改善が期待できる。
4.3.とは別にEDAS術後の患者は短期の経過観察では知能の改善が明らかで無いが、長期に観察していると次第に知能の改善も見られることが明らかとなった。
5.EDASの術中・術後における合併症に就いての検討、およびこれに対する対策の検討が詳細に亙って行われた。
Xenon-enhanced CT における短時間 Xenon 吸入法による脳血流測定法が確立され、小児の実用的な脳血流の測定が可能となった。
7.脳血管撮影像の解剖学的検討により、STAの頭頂枝がが極めて脳の運動領野に近接してあることが証明され、EDASを行うとまず運動機能が改善されることが裏付けられた。

Research Products

• [Publications] Matsushima Y;Inaba Y: Stroke. 17. 117-122 (1986)
• [Publications] Matsushima Y;Takasato Y;Fukumoto T;Tsuruoka S;Yamaguchi T;Inaba Y: Child's Nerv Syst. 1. 363-365 (1986)
• [Publications] Yamaguchi T;Matsushima Y;Takada Y;Niimi Y;Inaba Y;Umezu R;Fukuyama Y: Brain & Development. 8. 183 (1986)
• [Publications] Suzuki R; Tabata H;Matsushima Y;Inaba Y: Acta Radiologica.
• [Publications] Suzuki R;Matsushima Y;Hiratsuka H;Inaba Y: Bull Tokyo Med Dent Univ. 33. 107-116 (1986)
• [Publications] 鈴木龍太,大野喜久郎,松島善治,鶴岡信,平塚秀雄,稲葉穣: 臨床放射線. 31. 212 (1986)
• [Publications] 鈴木龍太,平塚秀雄,松島善治,大野喜久郎,稲葉穣: CT研究. 8. 139-144 (1986)
• [Publications] 松島善治,鈴木龍太,稲葉穣,富田博樹: 脳と発達. 18. 181-185 (1986)
• [Publications] 松島善治,山口武兼,高里良男,富田博樹,鶴岡信,福本達,鈴木龍太,富田修一,稲葉穣: 脳と発達. 18. 3-7 (1986)
• [Publications] 松島善治,稲葉穣: Neurosurgeons. 5. 139-149 (1986)
• [Publications] 松島善治,鈴木龍太,山口武兼,田畑均,稲葉穣: 脳神経外科. 14. 1559-1566 (1986)
• [Publications] 富田修一,松島善治,山崎信吾,伊藤梅男: 脳と発達. 18. 55-61 (1986)
• [Publications] 田中啓造: 御茶ノ水医学雑誌. 34. 35-42 (1986)
• [Publications] 斉藤淳,松島善治,鈴木龍太,大野喜久郎,稲葉穣: 第21回日本脳神経外科学会関東地方会、2-22-86.
• [Publications] 鈴木龍太,大野喜久郎,松島善治,稲葉穣: 第15回日本神経放射線研究会、2-22-86.
• [Publications] 田畑均,松島善治,稲葉穣,桶田理喜,武居正郎,陳維嘉: 第14回日本小児神経外科学研究会、3-28-86.
• [Publications] 鈴木龍太,松島善治,田畑均,山崎信吾,長島悟郎,稲葉穣: 第11回日本脳卒中学会総会、4-7-86.
• [Publications] 若林伸一,田畑均,松島善治,鈴木龍太,稲葉穣: 第11回日本脳卒中学会総会、4-7-86.
• [Publications] Suzuki R,Tabata H,Matsushima Y and Inaba Y:The 7th international symposium of neuroradiologicum,6-24-86.
• [Publications] 新井俊成,武井秀憲,布目谷寛,福井信介,松島善治: 第23回日本脳神経外科学会関東地方会、9-13-86.
• [Publications] Fukai N,Aoyagi M,Hashimoto K,Matsushima Y and Inaba Y: The 8th international symposium on microvascular anastomosis for cerebral ischemia,9-15-86.
• [Publications] Matsushima Y,Fukai N,Suzuki R,Yamaguchi T,Tabata H,Ohno K and Inaba Y: The 8th international symposium on microvascular anastomosis for cerebral ischemia,9-16-86.
• [Publications] Komatsu K,Matsushima Y,Takei H,Fumeya H,Fukui S and Inaba Y: The 8th international symposium on microvascualr anastomosis for cerebral ischemia,9-17-86.
• [Publications] 深井直実,松島善治,稲葉穣: 第15回日本脳神経外科学会総会、10-1-86.
• [Publications] 鈴木龍太,田畑均,山崎信吾,鶴岡信,松島善治,稲葉穣: 第15回日本脳神経外科学会総会、10-2-86.
• [Publications] 松島善治,山口武兼,鈴木龍太,田畑均,戸根修,大野喜久郎,露無松平,小松清秀: 昭和61年度ウイリス動脈輪閉塞症調査研究班第2回研究会、12-19-86.