1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61450077
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
仁田 道夫 武蔵大, 経済学部, 助教授 (70139400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 圭介 雇用職業総合研究所, 研究員
牛尾 吉昭 武蔵大学, 経済学部, 助教授 (10160235)
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Keywords | 経営多角化 / 内部労働市場 / 企業内労使関係 / ゼンセン同盟 / 化繊産業 / 電機産業 / 電機労連 |
Research Abstract |
1.既存の多角化戦略、内部労働市場に関する研究のサーベイ、および、有価証券報告書をはじめとする公刊資料の収集・整理を進め、化繊産業について多角化類型の違いが個別企業における賃金・雇用慣行・労使関係に差異をもたらしているとの仮説をたて、これにもとづいて面接調査票を作成した。 2.繊維産業については、ゼンセン同盟化繊部会の協力を得て、大手五社(帝人,東レ,クラレ,旭化成,三菱レイヨン)の労働組合からの聴取調査,資料収集を実施することができた。調査結果を、まず、個別企業ごとの事例としてとりまとめ、これにもとづいて、多角化類型と内部労働市場の態様が、いかなる連関性を持ち、あるいは持っていないかを分析中である。この産業は多角化先進産業といってよいが、全体として賃金・雇用慣行や労使関係が他の産業とくらべて大きな違いがあるとはいえない。また、多角化の程度も、企業により違いがあるが、それが直ちに賃金・雇用慣行や労使関係にポジティヴな影響を与えているとはいえない。しかし、研究所や非製造業部門では、既存の慣行と業務・人事管理の実態の間に摩擦が生じており、一部企業では改善の方策を模索している。企業の多角化度の違いは業務格差等を生じさせ、産業別組合の統一闘争を困難ならしめている、等々の知見が得られた。今後は、より広い視角(国際比較を含む)から分析を深めていく。 3.電機産業については、三菱電機労組とコンタクトが取れた。明年度の研究課題である。電機産業についても、既存資料の収集は鋭意進めている。
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