1986 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業における資本構成と配当政策の決定メカニズムに関する実証的研究と国際比較
Project/Area Number |
61450083
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
小山 明宏 学習院大, 経済学部, 助教授 (50146320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花枝 英樹 関東学院大学, 経済学部, 助教授 (50103693)
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Keywords | 資本構成 / 配当政策 / エージェンシー問題 / 内部組織 / 株式持ち合い / 株式所有構造 / 経営者支配 |
Research Abstract |
昭和61年度は、2年計画で進めている本研究の1年目として、次の通り作業・研究を行った。 【I】.基礎的なサーベイ 1.資本構成・配当政策に関する従来の諸研究でのモデル分析の検討。 そこで置かれている仮定の現実性、妥当性を中心に、その分析のプロセスおよび結論の、現実の企業の財務政策にとってのインプリケーションを検討し、とりまとめた。特に、統計的な実証分析を行うための準備的条件として必要なものを考慮した。 2.日本の企業の財務的意思決定に影響を及ぼす要因の考察。 わが国に特有な条件を考え、エージェンシー・モデルによる分析から得られる一般的な結論を、日本の企業の分析に適用するため、特に株式の所有構造(持ち合い)、金融機関との関係、所属産業の状熊などに注目して、数値化を試みた。 【II】.実証的研究のパイロット・テスト 1.企業の資本構成の説明要因と考えられる変数のデータの収集と加工。特にエージェンシー関係の数値化のため新たにくふうを加えた「多角化度指標」、株主の構成、金融機関との関係などを表す変数の作成。 2.コンピュータによる、財務データを中心とした資本構成・配当性向の統計的分析。 パイロット・スタディとして5つの産業を選び、SPSS等を初めとする統計パッケージおよび自作のプログラムによる多面的な分析を行った。 なお、上記の分析は昭和62年度に行うより大規模な研究の基礎となるものであり、昭和62年度末には2年間の研究の成果を総合的にとりまとめる予定である。
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[Publications] 花枝英樹: 関東学院大学経済学会ワーキング・ペーパー. 5. 1-16 (1986)
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[Publications] 小山明宏: 証券経済学会年報. 21. 84-94 (1986)
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[Publications] 花枝英樹: 関東学院大学経済学会ワーキング・ペーパー. 6. 1-16 (1986)
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[Publications] 小山明宏,上田泰: 学習院大学経済論集. 23. 21-35 (1986)
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[Publications] 花枝英樹,小山明宏,松井美樹,上田泰: 日本経営財務研究学会 経営財務研究双書<9>. 9. (1987)