1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61460004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡部 靖憲 北海道大学, 理学部, 教授 (30028211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 昭彦 北海道大学, 理学部, 助手 (50168431)
上見 練太郎 北海道大学, 理学部, 教授 (10000845)
越 昭三 北海道大学, 理学部, 教授 (40032792)
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Keywords | KMO-ランジュヴァン方程式 / 久保ノイズ / ホワイトノイズ / Einstein関係式 / エントロピー規準 |
Research Abstract |
1.量子統計力学におけるRWAモデルは有限自由度の系であるが、この極限である無限自由度の系に対して、森理論を応用することによって、非可換系に対するランジュヴァン方程式を導いた。 2.KMO-ランジュヴァン方程式には、揺動項がホワイトノイズのものと、Kuboノイズのもの、の2種類があり、Einstein関係式は、後者のものに対しては成り立つが、前者のものに対しては成り立たず、ずれが生じてくる。この連続時間の系に対する理論を、離散時間の時系列に対して、その対応する理論を作ると、Einstein関係式は、ホワイトノイズに対してのみならず、Kuboノイズに対しても、マルコフ系に対するものより、ずれが生じてくる。このことは、従来、統計物理学において、Einstein関係式が成り立つことで、Kuboノイズの物理的根拠を与えていたが、実験・観測が離散時間を通して行われることを考慮すると、揺動項の物理的根拠のみならず数学的相違を考えるとき、Einstein関係式の他の規準が必要となる。そこで、情報理論的量である、エントロピーを計算することによって、ホワイトノイズ,Kuboノイズのランダムネス・複雑さを、調べた。これらのことは、3部に分けて、Hokkaido Math.J.に投稿している。 3.拡散系に対する基本的量である、遷移確率密度とグリーン函数の漸近挙動の研究は、1次元の場合に対してしか、一般的な取り扱いを与える理論はないが、KMO-ランジュヴァンの理論のひとつの基盤である、ヘルグロツツの理論を用いることによって、多次元の拡散過程に対しても、新しい特性量を導入して、遷移確率密度の漸近挙動を調べた。 4.今後の研究に対しては、1に対しては、他のモデルを考えること、2に対しては、赤池氏のAICとの関連を調べること、3に対しては、導入された特性量の確率論的意味を調べる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yasunori Okabe: Hokkaido Mathematical Journal.
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[Publications] Yasunori Okabe: Hokkaido Mathematical Journal.
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[Publications] Yasunori Okabe: Hokkaido Mathematical Journal.