1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61460036
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
石川 義和 富大, 教養部, 助教授 (20143836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前沢 邦彦 富山県立技術短期大学, 助教授 (90099408)
佐藤 清雄 富山大学, 理学部, 教授 (20023070)
森 克徳 富山大学, 教養部, 教授 (70018993)
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Keywords | 近藤効果 / 高濃度近藤物質 / 【La_(1-x)】CexNi / フェルミ流体 / 価数揺動 / 中間原子価 / 電気抵抗 / 低温比熱 |
Research Abstract |
高い近藤温度をもつ高濃度近藤物質CeNiとそのLa希釈混合物をとりあげ、それらの単結晶による磁気的電気的熱的測定を通して、希薄近藤系から高濃度近藤系への連続的変化を実験的に明らかにした。次の研究発表の項の中の論文1は、格子定数,電気抵抗,帯磁率の測定から、【La_(1-x)】CexNi系の三つの領域からなる相図を作成した。第【I】相は、孤立系による希薄近藤系,第【II】相は、Ceイオンのかなり孤立した高濃度近藤系,第【III】相は、フェルミ流体的振舞いを示す領域に合けられた。又、この論文で、CeNiは、従来、価数揺動物質といわれていたが、近藤温度の高い高濃度近藤物質の一つと見なされることを示した。 論文の2は、【La_(1-x)】【Ce_x】Ni系の低温領域での比熱の測定から、前述の論文で示した如く、x=0.6を境界として低濃度側と高濃度側にその特徴を二つに分けることができるが、低濃度側は、単なる孤立系の希薄近藤系ではなく、近藤温度が連続的に増加していることを示した。又、高濃度側は、Ef上に非常に高い状態密度を有するフェルミ流体であることを示した。 論文の3では、低温比熱のγ値と、低温での高磁場帯磁率の値χとの相関について考察した。ここで、低濃度側の高磁場磁化過程は、三つのクラマーヌ二重項によるブリルアン関数的振舞いを示したのに対し、高濃度側は100kOeまで大きな値をもつ常磁性であることを示した。論文の4では、Sm【Cu_2】の高磁場縦磁気抵抗の実験から、シュブニコフ-ドハース振動を測定し、フェルミ面の形状について考察した。Sm【Cu_2】は近藤系ではないが、引き上げ法により作製した単結晶試料であり、今回の研究テーマの一つである所の、【La_(1-x)】CexNiの引き上げ法による単結晶のドハース-アルフェン効果の研究を進める途中で得られた成果である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.ISIKAWA: Journal of the Physical Society of Japan. 55. 3165-3173 (1986)
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[Publications] Y.ISIKAWA: Journal of Magnetism and magnetic Materials. (1987)
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[Publications] Y.ISIKAWA: Journal of the Physical Society of Japan. (1987)
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[Publications] K.MAEZAWA: Journal of the Physical Society of Japan. 55. 4135-4136 (1986)