1987 Fiscal Year Annual Research Report
南北両半球データを用いたオーロラダイナミックス及び生成機構の研究
Project/Area Number |
61460051
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
平澤 威男 国立極地研究所, 研究系, 教授 (30011571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門倉 昭 国立極地研究所, 研究系, 助手 (70185883)
小野 高幸 国立極地研究所, 研究系, 助手 (10141996)
山岸 久雄 国立極地研究所, 資料系, 助手 (20132714)
江尻 全機 国立極地研究所, 研究系, 教授 (30013692)
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Keywords | 磁気圏構造 / Pc5脈動 / Pg脈動 / 地磁気共役点 |
Research Abstract |
オーロラの動形態の定量的な解析並びにオーロラの生成機構の解明のためオーロラ画像データを電算機処理可能なディジタルデータ化する作業が進められた. 1984年に実施された昭和基地ーアイスランドにおけるオーロラ現象同時観測データについては電算機を用いた比較解析が進められた. また1985年,1986年及び1987年における両半球オーロラ現象データのサマリープロットの作成も進められている. 特に今年度における研究の業績としてはULF波動現象中のPc5並びにPgと呼ばれる脈動の南北両半球における特性が明らかにされはじめた点である. 特にPg脈動はこれまで伝播のモード決定が困難であったが, 昭和基地ーアイスランドの同時データを解析する事によりこれを決定する手がかりを得る事ができた. さらに両半球で観測された波動の位相を解析する事による昭和基地の地磁気共役点はアイスランド内の一点に固定されているのではなく, その位置は時々刻々と遷移しつつある事を証明する手がかりが得られた. 地磁気共役点の遷移の問題は, これまでモデル計算による, あるいはオーロラの共役性の解析等による結果から仮説として提唱されて来た. しかしながらその遷移の様相を観測により精密に実証した例はこれまでに無く, 全く新しい結果がある. これらの解析結果はオーロラのダイナミックスをコントロールする地球磁気圏の構造にかかわる重要な結論であり, とりあえず第11回極域における電離圏磁気圏総合観測シンポジウム(国立極地研究所主催)や第82回地球電磁気・地球惑星圏学会講演会において口頭による発表が行なわれた.
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