1986 Fiscal Year Annual Research Report
三波川帯および秩父帯を構成する堆積岩と火成岩の研究
Project/Area Number |
61460058
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岩崎 正夫 徳島大, 教育学部, 教授 (40035291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 啓祐 徳島大学, 教養部, 助教授 (20116776)
須鎗 和已 徳島大学, 教養部, 教授 (50035672)
塩田 次男 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (90035337)
萱間 篤一 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (60035334)
神田 精一 徳島大学, 工学部, 教授 (00035586)
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Keywords | 三波川帯 / 秩父帯 / 緑色岩類 / 海洋島 / 海嶺 / クロムスピネル |
Research Abstract |
1.火成岩類と変成岩類の産状について、三波川帯では、四国東部、四国中央部、松山市周辺を実地に調査し、紀伊半島と九州西部については文献でまとめた。秩父帯では、四国東部、四国中央部、松山市南方を実地に調査し、三波川帯との関係を研究した。紀州半島と九州中央部の秩父帯については文献を参照した。 2.全体として、三波川帯の岩層が下位で、秩父帯の岩層が上位にあり、両者は整合と考えられる。 3.三波川帯南縁部のみかぶ帯中の赤色泥岩から放散虫化石を検出することに成功した。その結果、三波川帯堆積岩の時代は、中生代のジュラ紀後期(約1億4千万年前)であることが分った。 4.秩父帯のはんれい岩中のケルスート閃石を分離して、カリウム-アルゴン法により年代を決定した。その結果、秩父帯のはんれい岩は三波川帯のはんれい岩より古く、2億4千万年前(二畳紀末または三畳紀はじめ)であることが分った。 5.緑色岩類の多くは、堆積岩で、おそらく海溝堆積物と考えられる。 6.三波川帯、みかぶ帯のはんれい岩塊は、化学成分の上から、ソレアイト岩系に属するが、三波川帯の一部にアルカリ岩系に属するはんれい岩塊がある。秩父帯のはんれい岩塊は、すべてアルカリ岩系に属する。 7.化学成分から、秩父帯のはんれい岩は、海洋島を構成していた火成岩で、三波川帯、みかぶ帯のはんれい岩の大部分は、海嶺からみちびかれた火成岩であることが推定できる。 8.みかぶ帯の緑色堆積物中にある金属鉱物としてクロムスピネルが発見された。このことは、この堆積物がマントル構成岩に由来した砕屑物で構成されていることを示す。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Iwasaki,M.: 地質学論集(日本地質学会). 21号. 189-196 (1982)
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[Publications] Iwasaki,M.;Shibata,K.: 徳島大学学芸紀要(自然科学). 35. 9-17 (1984)
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[Publications] Iwasaki,M.: Ofioliti(Firenze,ITALIA). 9. 443-462 (1984)
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[Publications] Iwasaki,M.: Ofioliti(Firenze,ITALIA). 11. 179-188 (1986)
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[Publications] 須鎗和己,桑野幸夫,石田啓祐: 徳島大学教養部紀要. 15. 51-71 (1982)
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[Publications] 塩田次男: 徳島大学学芸紀要(自然科学). 36. 13-20 (1985)