1986 Fiscal Year Annual Research Report
融体超急冷法で生成される高珪素鉄柱状晶の磁気異方性
Project/Area Number |
61460068
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
津屋 昇 法政大, 工学部, 教授 (00006206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 賢一 東北大, 通研, 教授 (40006268)
早野 誠治 法政大学, 工学部, 助手 (80120830)
中村 秀男 法政大学, 工学部, 助手 (10061201)
斎藤 兆古 法政大学, 工学部, 助教授 (80097146)
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Keywords | 珪素鉄 / 磁気異方性 / 第3元素 / 単結晶 / 熱処理 / 磁気特性 |
Research Abstract |
珪素を約3%含む珪素鉄合金、いわゆる珪素鋼板は電力系統の発電機や変圧器の鉄心として、あるいは電動機や電源変圧器の鉄心として広く使用されている。 この珪素鋼板の磁気特性の向上を阻むものは、結晶磁気異方性と磁歪であるが、我々はすでに磁気異方性を低減させる処理方法があることを発見し研究してきた。 本研究ではこの結果をさらに発展させ、珪素鉄に第3元素を添加することにより、規則-不規則変態温度を下降させることが可能となる。 さらに、容易に実現しうる冷却速度で冷却することによって、高温状態での珪素の不規則分布が室温で実現できるならば、磁性材料のより一層の低損失化をもたらす可能性が生まれる。 以下に研究成果の概略を記す。 1. 第3元素としてTi,W,Mn 等の金属元素を添加した種々のインゴットを作った。 2. これらのインゴットのうちTi,W,Mnについて単結晶を育成した。さらに結晶方位を決定し、磁気異方性を測定した。 3. これらの単結晶を熱処理を行い、熱処理と磁気異方性の関係を明らかにした。 (1)単結晶試料0.5W5.5Si94Fe組成については、1100℃からの焼き入れ処理を行うことにより、磁気異方性定数【K_1】は2.46×【10^5】erg/ccから1.78erg/ccとなり約28%減少した。 (2)単結晶試料0.5Mn5.5Si94Fe組成については、(1)と同じ条件で2.26×【10^5】erg/ccから0.66×【10^5】erg/ccと約71%も減少した。 以上のように、有効な第3元素添加を行い、高温焼き入れ処理を施すことにより、磁気異方性を低減することが可能となり、珪素鉄合金の磁気特性のより一層の改善が十分期待できる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 津屋昇: 電気学会,マグネティックス研究会資料. MAG-86-65,MAG-86-66. 49-66 (1986)
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[Publications] Y.Saito: IEEE,Trans.Magn.MAG-22. MAG-22. 647-649 (1986)
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[Publications] Y.Saito: IEEE,Trans.Magn.MAG-22. MAG-22. 1057-1059 (1986)
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[Publications] 斉藤兆古: 電気学会,マグネティックス研究会資料. MAG-86-109,MAG-86-110,MAG-86-111. 49-78 (1986)
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[Publications] 中村秀男: 電気学会,マグネティックス研究会資料. MAG-87-14. (1987)