1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61460075
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
竹内 協子 学習院大, 理学部, 助手 (20080450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊知地 国夫 学習院大学, 理学部, 助手 (30158753)
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Keywords | 希ガス二次元相 / 相転移 / 偏光解析法 |
Research Abstract |
原子的に平坦な単結晶表面上に物理吸着した単分子層以下の気体分子の系・例えばグラファイト上に吸着したXe,Krなどの希ガスの系については、吸着平衡の測定から、圧力【10^(-3)】〜【10^2】Pa、温度70〜110Kの領域で複雑な相転移を示すことが知られている、偏光解析法は百分の数層に相当する吸着分子密度の変化を検知する感度を持ち、分極率の変化にも敏感であることを利用して、このような二次元相の相転移を調べようとするものである。 本年度はそのための装置の作製を目標とした。現有の超高真空装置を本研究に適するように改造し、試料表面の汚染をさけるために【10^(-9)】Paの到達圧力が得られるようにし、これに手製のサンプルホルダー、及びガス導入系を組込み、窓を通して偏光解析が行なえるようにした。サンプルホルダーは、高純度の銅と低温でも熱伝導のよいサファイアでつくり、0.6mmφの高純度銅(99.9999%)の細線の束によって手持ちの機械式冷凍機に接続し、ヒーターと組合わせてサンプルの温度を50〜150Kに調整できるようにした。偏光解析装置は測定の精度を上げるために消光方式とし、当初の予定を変更して偏光子、検光子だけでなく1/4波長板にもロータリー・エンコーダーを取り付けて角度の読取り精度をあげ、△.Ψの測定精度を30″以下とするようにした。窓はべローズを用いて入射角を74〜80゜の間で変えることができるようにした。装置の製作、排気テストを終り、現在導入ガス圧力、及びサンプル温度のコントロールの安定性を調べる予備的な実験をはじめている、又.下地の銀単結晶(111)面を研磨してサンプルホルダーに取り付け、電子衡撃と加熱により面の清浄化を行ないながら、はだかの銀表面の偏光解析のデータを得つつある。
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