1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61460079
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 孝雄 阪大, 基礎工学部, 教授 (00029498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾上 憲一 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (70029429)
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Keywords | 電気推進機 / アークジェット / 衛星の姿勢制御 / アークと流れの干渉 / 解離,電離を伴う超音速流 |
Research Abstract |
人工衛生の姿勢制御に用いるために、電気推進機の一種であるアークジェット推進機を製作し、その推力特性,熱特性およびその加速機構について研究した。推進剤としては、従来のガスジェットとの併用を考え、水素,窒素およびそれらの混合ガスを用いた。また、宇宙空間で利用できる電力は、現状では0.5kW〜2kWと考えられるので、できる限り低電流で安定に作動する推進機に注目した。最初に、水冷式アークジェットを用いて、最適の電極形状,各部への入力電力の分配の割合を調べた。その結果、陽極へ入力の50%を越える部分が熱入力として流れ込み、これを回収しない限りは推力効率が向上しないことが判明した。そこで、輻射冷却式アークジェットが試作され、夏空風洞内で推力特性および熱特性が測定された。この輻射冷却式アークジェットは数時間の連続運転に耐え、入力1kW程度で推進剤として水素を用いて、比推力940秒,推進効率45%,推力133mNを達成し、また、完全分解されたヒドラジンを用いて、比推力434秒,効率30%,推力113mNを達成した。さらに、超音速ノズル部での実在気体効果を伴う流れ場の解析が行なわれ、最適ノズル形状としては、ノズル径0.6mm,ノズル半頂角30度であることが判った。 低電力で高い推進性能を示し、約1000時間の安定した作動をするためには、次のような課題が残されている。 1.推進性能を向上させるには、更に小型化する必要がある。 2.ノズルは点火時に損傷するので、新しい点火法の確立が必要である。 3.電圧変動はかなり大きいので、これに適した電源の開発,軽量化。 4.電離・解離を伴うノズル内流れの解析。 5.詳細な熱計算と電極を含む新しい耐熱材を見つける。
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Research Products
(2 results)