1986 Fiscal Year Annual Research Report
キャビテーション・エロージョン量の予測に関する基礎的研究
Project/Area Number |
61460082
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岡田 庸敬 福井大, 工学部, 教授 (40020185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 修次 福井大学, 工学部, 助手 (00143933)
岩井 善郎 福井大学, 工学部, 助教授 (40115291)
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Keywords | キャビテーション / 気泡崩壊 / 衝撃力 / 下限界衝撃力 / キャビテーション・エロージョン / 直線疲労被害則 / 壊食面形状 |
Research Abstract |
1.キャビテーション・エロージョンの下限界衝撃圧の計測と壊食機構との関係:エロージョン量は材料が吸収したエネルギに比例すると考え、キャビテーション気泡崩壊の衝撃力と壊食量の測定結果を結合させて、鋼,銅,アルミニウムに壊食被害を引きおこす衝撃力の下限界値を求めた。下限界値はアルミ,銅,鋼の順に大きくなるが、鋼では引張強さが増加してもほとんど増加しないことが明らかになった。また高含水油中では、気泡崩壊の衝撃エネルギが大きくなるにもかかわらずエロージョン量は小さくなるが、これは高含水油中で下限界衝撃力を計測すると大きくなることから説明できることがわかった。 2.キャビテーション気泡崩壊圧と壊食量の相関性:下限界衝撃力が材料の疲労限度に対応すると考えて、それ以上の衝撃力の分布を疲労のS-N曲線と対比させ直線疲労被害則を適用すると、種々の材料の潜伏期間あるいは定常期の壊食率の逆数は、Σηi/Ni(Ni;ある応力での破壊繰返し数,ηi;それに対応する衝撃力の発生数)と1対1の相関関係を示すことが明らかになった。 3.壊食面形状の三次元的解析:科研費補助金によって設置された画像解析装置および触針式あらさ計を用いて、壊食面の経時変化を統計量として表示する手法を研究した。壊食面の突起の集合として、突起の高さやピッチ,傾斜角,曲率半径をコンピュータで統計解析するとほぼ正規分布している。また平均壊食深さが増加すると、突起の高さやピッチは大きくなるが、傾斜角と曲率半径はある時点から一定となり、浸食粉径はピッチとほぼ一致することが明らかになった。 これらの結果から、気泡崩壊圧の計測分布に基づいてエロージョン量が予測できるものと考えられる。
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Research Products
(1 results)