1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61460083
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
駒井 謙治郎 京大, 工学部, 教授 (70025948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕島 弘二 京都大学, 工学部, 助手 (50174107)
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Keywords | 応力腐食割れ / 組合せ・多軸応力 / き裂発生 / 高強度鋼 / 曲げ / ねじり / 繰返し応力腐食割れ / 腐食ピット |
Research Abstract |
本年度は基礎的研究として、水素ぜい化型SCCに敏感な高強度鋼SNCM435-35%NaCl水溶液の組合せを選び、応力比R=【σ_(min)】/【σ_(max)】=【τ_(min)】/【τ_(max)】=-1の曲げおよびねじり応力下の繰返しSCCき裂発生挙動を検討した。曲げ応力下の場合は、腐食ピット底より引張応力支配の粒界き裂が発生・伝ぱして破断し、繰返しSCC強度が空中疲労強度に比べて低下した。一方、ねじり応力下の【τ_(max)】≧780MPaの高【τ_(max)】下では、空気中疲労と同様に、長手方向に対して直角方向に粒内疲労破壊を生じ、空気中疲労強度との差は見られなかった。500MPa≦【τ_(max)】〈780MPaでは腐食ピット底よりせん断応力支配の長手方向き裂が発生した後、長手方向に対して45°傾いて引張応力支配の粒界き裂が、また【τ_(max)】〈500MPaでは腐食ピット底より直ちに引張応力支配の粒界き裂が発生し、ともに腐食環境中強度は空気中疲労強度に比べて低下した。曲げ応力下、およびねじり応力下の【τ_(max)】〈500MPa下において、腐食ピット底より引張応力支配き裂が発生する力学的条件は、腐食ピットを鋭いき裂と見なして求めた【K_(IFSCC)】により定まった。一方、500MPa≦【τ_(max)】〈780MPaの軸方向き裂の発生条件は、同様にして求めたK【III】FSCCにより決定された。また、軸方向き裂先端からの引張応力支配き裂は、軸方向き裂の応力拡大係数のモード【I】成分が【K_(IFSCC)】に等しくなったとき発生した。昭和62年度は、以上の成果をもとに、引張り、捩り組合せ・多軸応力下のSCCき裂発生挙動について検討する計画である。
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Research Products
(1 results)