1986 Fiscal Year Annual Research Report
窒化けい素系ファインセラミックスの高温強度評価法の確立
Project/Area Number |
61460084
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
田中 道七 立命館大, 理工学部, 教授 (90066613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 英明 大阪産業大学, 短期大学部, 教授 (90097999)
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Keywords | セラミックス / 窒化けい素 / 高温強度 / 引張強度 / 破面解析 / ワイブル分布 |
Research Abstract |
本研究は昭和61年度〜62年度の2年間にわたって遂行されるものである。第1年度次における研究目的は(1)ファインセラミックスの高温引張試験装置の開発を行ない、(2)これを用いて高温引張試験を遂行し、(3)得られた結果について統計的解析および破面解析を行なうことにあったが、これら3項目よりなる研究内容の遂行状況は下記の通りであり、ほぼその目的を達成している。まず(1)については本研究課題申請者がすでに新しい着想のもとで開発した室温下でのセラミックスの引張試験法を応用し、延性の大きな材料で試験片の延性不足を補うとともに、荷重系には全体として自動調心性をもたせ、破断荷重の80%レベルで面外および面内曲げ応力の大きさが引張応力の3%以下となる高温引張治具を開発した。次いで(2)については上記の治具を用いて室温,1000,1200および1300℃の温度条件下における信頼性の高い引張強度データを得た。さらに(3)については次のような結果を得た。すなわち、常圧焼結窒化けい素系ファインセラミックスの平均強度は1000℃を超えると急激に低下すること、各温度レベルでの引張強度分布は2母数ワイブル分布で近似できること、さらに破面解析より引張強度とミラー半径またはミスト半径の間にσ・【γ^(1/2)】=一定の関係が成立することなどである。 昭和61年度に計上された諸経費の主要部は設備備品費の高温用電気炉および制御・計測装置の購入経費であるが、これについては研究の目的に合致するように製作、納入され、すでに1部の実験で有効に使用されている。また本機器は第2年度次に遂行予定の高温3点曲げ試験においてさらに頻繁に使用される。なお、本機器の購入経費が製造業者の協力で格安となり、一方、実験遂行および破面観察にかかわる消耗品費が予想以上に増加したので、両者間の相殺で予算執行上のバランスをとった。
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[Publications] 田中道七,岡部永年,境田彰芳: 材料.
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[Publications] 田中道七,境田彰芳: 日本材料学会第35期学術講演会前刷集. 310-312 (1986)