1986 Fiscal Year Annual Research Report
超精密切削における加工面の表面物性的コントロールに関する研究
Project/Area Number |
61460093
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 勇蔵 阪大, 工学部, 教授 (00029125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 和人 大阪大学, 工学部, 助手 (10174575)
杉山 和久 大阪大学, 教養部, 講師 (30112014)
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Keywords | 超精密切削 / 加工表面評価 / 光反射率スペクトル / 格子欠陥 / 表面物性 / 電子エネルギ状態 / 局所状態密度 |
Research Abstract |
ダイヤモンドバイトを用いた超精密切削加工された金属結晶表面(層)には格子欠陥が導入されており、その周囲の結晶は歪み、電子エネルギ状態が変化する。また、光が結晶表面に入射すると、光と電子が相互作用し、電子が励起され、基底状態に戻るときに放出される光が反射光となる。したがって、この反射光を調べることによって、電子のエネルギ状態,格子欠陥の分布状態を知ることができる。本年度は、光反射率スペクトルを理論的に明らかにするために、欠陥を持つ表面での電子状態を量子力学に基づき明らかにした。すなわち、量子力学の手法であるリカージョン法を用いて、欠陥を持つ表面での局所状態密度を計算した。この局所状態密度から、光反射率スペクトルの表面欠陥依存性を明らかにすることが可能である。また、波長100〜800nmの真空紫外から可視光にわたる広範囲な比較光反射率スペクトルを、0.001%オーダの精度で測定が可能な装置を製作した。真空紫外域は光源として重水素ランプ,可視域ではタングステンハロゲンランプを用い、それぞれ専用のモノクロにより任意の波長に単色化する。その光をビームスプリッタで2光束にし、二つの試料【S_1】,【S_2】に入射させ、その反射光を各々ディテクタ【D_1】,【D_2】で受光する。このとき、【S_1】,【S_2】には同一条件の加工をした試料を用い、【D_1】,【D_2】からの出力【E_1】,【E_2】の差が0になるように負荷抵抗を調整する。次に【S_1】を検査試料Smと効換し、その出力をEmとすると、比較反射率△R/R=Em-【E_2】/【E_2】と表わされる。【D_2】は光源その他のドリフトをキャンセルするために用いる。そして、測定試料および測定系はすべて真空チャンバ内に納め、試料表面の水等の吸着物の除去が可能である。試料の交換は、真空外のコンピュータの制御で自動的に行なわれる。この装置で、金属蒸着面等による種々の欠陥密度を持つ表面を作り測定したところ、比較反射率で目的の感度および分解能が得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 森勇藏,山内和人 他: 精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集.
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[Publications] 森勇藏,山内和人 他: 精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集.