1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61460094
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福永 秀春 広島大, 工学部, 教授 (90034347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合田 公一 広島大学, 工学部, 助手 (10153743)
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Keywords | 繊維強化金属 / SiC繊維 / ボロン繊維 / 信頼性 / ワイブル分布 / アコースティックエミッション |
Research Abstract |
本年度ではFRMの信頼性評価手法を一つ確立した。すなわち金属基一方向強化復合材において、強化繊維が発揮する強度のワイブルパラメータをAE(Acoustic Emission)法によって推定し、次にこのパラメータを使って従来の強度理論から複合材強度とその分布を予測できることを示した。 強化繊維にはSC繊維、直径の異なるボロン繊維および【B_4】C被覆ボロン繊維を用いた。【B_4】C被覆ボロン繊維については、ホットプレス法によって複合材料を製造した。そしてこの複合材料内の繊維破断音をAEによって検出できることを示した。このとき複合材料をRosenモデル(あるリンク長さをもった束が連結したモデル)に従うことを前提とするならば、順序統計量の確率密度分布を考慮することによって個々の繊維強度のワイブルパラメータを推定することができる。これらの値は複合材から抽出した繊維の引張試験データから得られるパラメータと比べてほぼ同程度の値を示すことが認められた。 これらのワイブルパラメータを使って微視強度論(Harlow-Phoenix則、Batdlorf則等)にもとづく複合材強度の予測をしたところ、実験結果と良く一致した。このことは複合材の信頼性を問う上で、重要な問題点を解明したと思われる。 上記の3種の無機繊維にAlをコーティングし、温度と時間を変えて等温焼鈍した後、反応生成物を調査したところ、いずれの処理によっても反応生成物が不均一に発生することが判明した。また【B_4】C被覆ボロン繊維は製造した複合材料からNaOH水溶液で繊維を抽出し、他の繊維は等温処理前後の引張試験を行い、反応生成物の発生と繊維強度の相関を基礎的に調査した。
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[Publications] 合田,福永,車原: 日本機械学会論文集(A編). 52. 1848-1854 (1986)
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[Publications] 合田,福永,糸永: 日本機械学会論文集(A編). 53. 180-184 (1987)
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[Publications] 合田,糸永,山本,福永: 日本機械学会講演論文集. NO.875-1. 112-114 (1987)
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[Publications] 合田,山本,福永: 日本機械学会第64期通常総会講演会. (1987)
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[Publications] K.Goda;H.Fukunaga: Journal of Material Science. 21. 4475-4480 (1986)
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[Publications] 福永: 広島県地域技術活性化フロンティア事業成果普及講演会. 50-56 (1987)