1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61460105
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
棚沢 一郎 東大, 生産技術研究所, 教授 (30013105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 眞一 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60013182)
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Keywords | 凝縮伝熱 / 滴状凝縮 / 管群の伝熱特性 |
Research Abstract |
復水器などに用いられているような水平円管群外表面上での凝縮熱伝達においては、上段管から落下する凝縮液による下円管群の伝熱性能の劣化が問題となる。膜状凝縮の場合には、これについてNusseltによる古典的理論解析をはじめとする多くの研究がある。一方、滴状凝縮はきわめて高い熱伝達率が得られる伝熱過程であり、もしこの過程を実際の凝縮装置に応用することができれば、大幅な性能向上が実現されることになる。本研究は、滴状凝縮の実用化が近い将来に実現するという予測の上に立って、管群における滴状凝縮過程で、上段管からの落下凝縮液の伝熱性能への影響を調べることを本年度の主たる目的とした。研究は、本年度初頭に提出した交付申請書に記載した内容とほとんど同一の段階を経て進められ、未だ中途ながらほぼ予定通りの成果を挙げることができた。すなわち、設備上の制約から、水平管群における凝縮実験を、多段管群装置によらず、1本の滴下管と1本のテスト凝縮管を用いた、模擬実験により行ったが、次のような結果を得た。 (1)単一水平円管外表面における滴状凝縮熱伝達において、伝熱性能の悪い部分は、0〜60°(0〜300°)および120〜180°(240〜180°)の領域であることを確認した。 (2)滴下管の設計、試作、試験を適切に行えば、管群の模擬が十分可能であることを確認した。 (3)管群各段の熱伝達率を測定し、本研究の実験条件において、滴状凝縮の場合には第10段目程度までは伝熱性能の劣化が生じないことを確認した。 来年度は、本年度の研究をさらに進展させ、もう少し広範囲にわたる実験条件下での測定を行うとともに、管群上での滴状凝縮伝熱の促進法およびその維持法について検討する予定である。
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